北見市議会 > 2014-09-19 >
12月09日-03号

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  1. 北見市議会 2014-09-19
    12月09日-03号


    取得元: 北見市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-03
    平成26年第5回12月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2議案第 105号平成26年度帯広市一般会計補正予算(第6号)議案第 106号平成26年度帯広市国民健康保険会計補正予算(第3号)議案第 107号平成26年度帯広市後期高齢者医療会計補正予算(第1号)議案第 108号平成26年度帯広市ばんえい競馬会計補正予算(第3号)議案第 109号平成26年度帯広市空港事業会計補正予算(第2号)議案第 110号帯広市地域包括支援センターの職員等に関する基準を定める条例制定について議案第 111号帯広市指定介護予防支援等の事業の人員及び運営等に関する基準を定める条例制定について議案第 112号帯広市畑地かんがい用水施設条例制定について議案第 113号帯広市消防長及び消防署長の資格を定める条例制定について議案第 114号帯広市国民健康保険条例の一部改正について議案第 115号帯広市墓地条例の一部改正について議案第 116号帯広市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について議案第 117号帯広市学校給食共同調理場条例の一部改正について議案第 118号公の施設の指定管理者の指定について(東児童保育センター外6施設)議案第 119号公の施設の指定管理者の指定について(北栄児童保育センター外3施設)議案第 120号公の施設の指定管理者の指定について(中央児童保育センター外3施設)議案第 121号公の施設の指定管理者の指定について(柏林台児童保育センター外5施設)議案第 122号公の施設の指定管理者の指定について(西児童保育センター外3施設)議案第 123号公の施設の指定管理者の指定について(豊成児童保育センター外1施設)議案第 124号公の施設の指定管理者の指定について(愛国児童保育センター外1施設)議案第 125号公の施設の指定管理者の指定について(川西保育所外5施設)議案第 126号公の施設の指定管理者の指定について(とかちプラザ)議案第 127号とかち広域消防事務組合の設立について議案第 128号市道路線の認定について     一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(31人)    1番       菊 地 ル ツ    2番       大 林 愛 慶    4番       鈴 木 正 孝    5番       中 村 朋 子    6番       今 野 祐 子    7番       熊 木   喬    8番       編 田 照 茂    9番       大 塚   徹    10番       杉 野 智 美    11番       楢 山 直 義    12番       稲 場 千 鶴    13番       高 田 雪 子    14番       小 森 唯 永    15番       藤 澤 昌 隆    16番       大竹口 武 光    17番       横 山 明 美    18番       清 水 拓 也    19番       村 田 光 成    20番       佐々木 とし子    21番       鈴 木 仁 志    22番       北 口 孝 志    23番       有 城 正 憲    24番       稗 貫 秀 次    25番       石 井 啓 裕    26番       大 石 清 一    27番       富 井 司 郎    28番       渡 辺 和 寛    29番       上 野 敏 郎    30番       稲 葉 典 昭    31番       佐々木 勇 一    32番       野 原 一 登     ──────────────〇欠席議員(1人)    3番       山 田 驎太郎     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         前 田 正 明 副市長         田 中 敬 二 公営企業管理者     伊 藤 修 一 教育長         八 鍬 祐 子 代表監査委員      西 田   譲 政策推進部長      阿 部 信 一 総務部長        山 崎 雅 市 行政推進室長      草 森 紳 治 市民活動部長      林   伸 英 市民環境部長中島地区振興室長             神 田 亜紀志 保健福祉部長      中 島   剛 こども未来部長     山 口   哲 商工観光部長      中 尾 啓 伸 農政部長        宮 脇 雅 行 ばんえい振興室長    佐 藤 徹 也 産業連携室長      相 澤   充 都市建設部長      安 達 康 博 上下水道部長      小 松   肇 学校教育部長      嶋 崎 隆 則 生涯学習部長      大久保 良 信 監査委員事務局長    柴 田   裕 消防長         福 田   茂 教育委員会委員長    田 中 厚 一     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        小 笹 勅 雄 書記          山 名 克 之 書記          高 橋 靖 博 書記          石 井 健 一 書記          田 中   彰 書記          嵯 峨 秀 一 書記          服 部   亮 書記          土 田 真 也     ~~~~~~~~~~~~         午前10時0分開議 ○野原一登議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 ここで事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎小笹勅雄事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は31人であります。欠席の届け出は3番山田驎太郎議員からございました。 次に、本日の議事日程でありますが、お手元に配付の議事日程表第3号により御了承いただきたいと思います。 報告は以上であります。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、7番熊木喬議員及び8番編田照茂議員を指名いたします。     ~~~~~~~~~~~~ ○野原一登議長 日程第2、議案第105号平成26年度帯広市一般会計補正予算(第6号)外24件を一括して議題といたします。 これから昨日に引き続き、議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、藤澤昌隆議員から発言の通告があります。 15番藤澤昌隆議員、登壇願います。   〔15番藤澤昌隆議員・登壇・拍手〕 ◆15番(藤澤昌隆議員) 皆さん、おはようございます。 きょうは手話通訳士の派遣をお願いしました。帯広市議会は今、開かれた議会を目指しています。その一環として、手話通訳の派遣が正式にできるようになりました。そして、きょうはろう者協会の方、また手話サークルの方がたくさん見えられております。これも議会として一歩前進だと思っております。しかし、残念なのは手話通訳の状況がテレビ中継ができないということであります。こういう課題も1つずつ乗り越えていきたいと思っております。 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきたいと思います。 障害者、聴覚障害者に対する福祉政策について、手話通訳者の派遣制度について、お伺いしたいと思います。 本年9月19日、鹿追町において道内3番目、全国で6番目となる手話に関する基本条例が議会において可決、本年10月1日からこの条例が施行されております。新得町の浜田正利町長が、新得町において4月1日に手話に関する基本条例を施行後、各管内市町村を積極的に回り手話の基本条例制定を訴えておられると聞いておりました。もちろん帯広市にも来て、米沢市長にこのことを訴えられたということも伺っておりますが、鹿追町さんはその熱意に同調した形となりました。鹿追町には、聴覚障害者が2人いるそうでございます。その手話通訳をされている方が新得町のわかふじ寮の方と伺っており、新得町とのつながりも昔からあったということだそうです。いずれにしましても、鹿追町も手話を取り巻く環境整備に乗り出したわけであります。今、鹿追町役場の福祉課では、簡単な挨拶、おはようございますや御苦労さまなどは手話でやっているということでございます。 さて、帯広市には聴覚平衡障害者が864名おります。その中の1級、2級の聴覚障害者は233名います。さまざまなところで聴覚障害者の方々が手話通訳者や要約筆記の派遣を要請しております。この派遣申請には幾つかの条件があるわけでありますが、それが利用者にとって使い勝手がいいのか悪いのか、私は改めて検証する必要があるのではないかと思っております。こういうお話をお聞きしました。ある聴覚障害者の方が御友人の結婚式に出席をしたときのことです。もちろん御友人は健常者であります。御自身が聾者であることから市に手話通訳者の派遣を申請したところ、これは除外事項だということで手話通訳の派遣を断られたそうでございます。そこで、私も手話通訳者の派遣対象事項を確認したわけでありますが、その中には聾唖者自身が一般的な参加者である場合は除外するとのことが書かれてありました。この項目が手話通訳者派遣を断られる理由となったわけでございます。 さて、帯広市は平成5年に帯広市障害者福祉計画が策定され、ノーマライゼーションの基本理念が盛り込まれ、はや21年の歳月がたちました。そして、その間、国連の障害者権利条約に日本が批准し、国内法の整備が一つひとつ整う中で、本市におきましても第二期帯広市障害者計画や障害福祉計画を整備、見直しをしてきたわけでございます。私は決して机上の理論でこれらの計画をつくったわけではないと思います。障害者福祉計画の中には、障害者が住みなれた家庭や地域社会において生きがいを持って生活することができ、笑顔で安心して暮らせるまちづくりを目指し、ノーマライゼーションの理念が浸透するよう事業を推進していますと書かれてありますが、さきの事例は小さな出来事であるかもしれませんが決して見逃すことのできない出来事であると私は感じました。 そこで、市長にお伺いいたします。 改めて、帯広市の唱えるノーマライゼーションというものはどういうものなのでしょうか。障害者の方々が住みなれた地域社会において暮らすために行政としてすべきことは何か、お答えください。 また、手話通訳者、要約筆記の派遣は何人いてどのようなところで活用されているのか、また今年度の実績をお尋ねいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 藤沢議員の御質問中、ノーマライゼーションについてお答えをいたします。 障害の有無にかかわらず、誰もが社会の中でともに暮らし、等しく活動できる環境にあるべきという考えがノーマライゼーションの理念であり、国においてはこうした考えのもと、全ての人が互いに人権と個性を尊重し、支え合って共生する社会を目指し、障害者制度改革を進めてきております。こうした社会を築くためには、障害のある人と地域住民との交流による理解促進や差別の未然防止などの取組みを通じてノーマライゼーションの理念の理解と浸透を図ることが重要であると考えております。 帯広市におきましては、第二期帯広市障害者計画に基づき、ノーマライゼーションの理念の定着のため、地域の支え合い活動の拠点となる市民活動プラザ六中において、地域住民による支え合い事業を初めさまざまな交流イベントを実施するなど交流の場の充実を図るほか、障害のある方々の活動紹介などを通じて障害者への理解促進に努めてきているところであります。今後におきましても、障害のある方に対する市民理解をさらに進めるほか、地域の中で必要な配慮と支援ができる仕組みづくりに取り組むなど、関係機関や団体の皆さんと協力しながら、第二期帯広市障害者計画の基本的理念である、人にやさしいまち、人が優しいまちの実現に向けて取り組んでまいります。 私からは以上であります。 ○野原一登議長 中島剛保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 手話通訳及び要約筆記の派遣についてお答えいたします。 聴覚や言語に障害のある方が社会生活を営む上で意思を表明することは困難を伴うことでありますことから、意思疎通を図り、社会参加と福祉の増進を目的として手話通訳者等の派遣を実施しているところでございます。派遣の対象となる事項といたしましては、通院など医療に関することや教育に関することなどのほか、地域活動や社会生活などを派遣の対象としておりますけれども、営利活動や政治的活動などは通訳者の派遣の対象外としているところでございます。また、手話通訳の派遣に無理が生じないよう申請期限の設定を行うほか、冠婚葬祭の場合における身内の方以外の利用の除外などにより運用してきておりますが、緊急時にはできる限りの対応を行ってきているところでございます。通訳者の今年度の登録状況でございますけれども、手話通訳者で15名、要約筆記で13名の方に登録をしていただいております。また、今年度の派遣実績といたしましては、11月末時点において手話通訳の派遣が205件、要約筆記の派遣が33件となっております。なお、これら派遣のおよそ7割が医療や教育に関する内容となっているものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) それぞれありがとうございました。 市長からも、このノーマライゼーション、福祉の考え方の基本的な考え方の御答弁がございました。まさにそのとおりだと思いますし、私は今、聴覚障害者の方のことを取り上げておりますけども、広く障害者はもちろん聴覚障害者だけではありませんので、そういう目では広い視野に立って見ていかなければならないとこのように思います。しかしながら、そういう中にあっても不便を感じている聴覚障害者の方もおられるということを、今回一般質問に取り上げさせていただきました。さきの事例のような結婚式において派遣を要請した場合、行政としてはもちろんこれは派遣できない、今、部長から答弁があったわけであります。日常の会話等は除外をする。ここに手話派遣対象事項の一覧表があるわけでありますけども、確かにここには結婚式や葬儀については聾唖者自身が一般的な参加者である場合は除外する、このように書かれております。それでは、聴覚障害者に対する合理的な配慮は何なのかという基本に返ったときに、やはり結婚式であれ葬儀であれ、さまざまな方がお話をされるときにその通訳、聴覚障害者の方にとっては通訳が必要であります。この部分は、もう少しこの除外事項を緩和すべきではないかと思います。この帯広市のノーマライゼーションの精神からいって、そういうところでも手話通訳者に派遣を願い、障害者、健常者の分け隔てない環境をつくること、これこそが求めるべきものであると思いますがいかがでしょうか。そのためにも、派遣対象事項の見直し、これは必要だと思いますが御答弁願います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 聴覚に障害をお持ちの方へのコミュニケーション支援のための派遣事業は極めて重要であると認識をしているところではあります。しかしながら、緊急性の高い事項が優先されるべきと考える一方、必要とされる派遣内容についても幅広い内容があるものと考えているものでございます。現在の通訳者の登録状況から判断いたしますと、多くの派遣対象内容に変更していくことについては厳しい状況だと考えておりますが、各市の対応状況などについて調査をしてまいりたいと考えております。また、今後については、障害者差別解消法の取組みの中で検討を行っていく必要があると考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 障害者差別解消法は、この先、国において可決されて施行されます。期間があります。1年ないし2年の時間があります。その間に待つのではなくて、行政が積極的にきちっと検証し、検討をし、この見直しをしていただきたいということを私は強く要望をします。そして、先ほどの手話通訳者の人数等、この後にも質問をしますけれども、その育成ということももちろんこれは必要になってくることだと思います。 さて、次の質問ですけれども、緊急時における手話通訳者の派遣について伺いたいと思います。 初めに、現在、帯広市の救急体制の中で、119番通報において聴覚障害者の通報はどのように行われているのかを伺います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 聴覚に障害をお持ちの方の火災などにおける救急時の連絡につきましては、通常は119番通報によるものについては困難でありますことから、身体障害者手帳取得時に消防本部に登録を行いましてファクスによる緊急連絡を行っているものでございます。 以上でございます。
    ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 実際に、そういう緊急時、ファクスで仮に救急車が到着しました、その後運ばれるわけですけれども、そのときに聴覚障害者である場合、実際に手話通訳者の派遣というのはどのように考えられているのか、御答弁願います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 救急車到着時などのコミュニケーションでありますが、事業としての通訳派遣事業ではなく緊急時の対応ということで、消防本部とあらかじめ協議を行いながら現在の連絡体制を整備しているところでございます。本来は、さまざまな施設に手話を行うことができる人がいることが望ましいとは考えておりますけれども、全国的にも手話通訳が可能な人数が少ない現状にありますことから、手話通訳者を登録方式で対応しているものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 緊急時というのは、もちろん119番通報だけではないと思います。今、帯広市においては休日夜間急病センターがございます。そうしますと、119番をかけるというのも一つですけれども、突然とっさのことで聾者自身が休日夜間急病センターに直接駆け込むということも考えられるわけでございます。その場合の対応はどのようにされているのか、お答えください。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 休日夜間急病センターへ直接来院された場合につきましては、同センターには手話通訳者が配置されておりませんことから、帯広市との連絡対応によりまして要請を受け、通訳者を派遣することになります。緊急通報時の支援体制と同様に、休日夜間急病センターとの連絡体制についても整えてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 今、休日夜間急病センターは開設したわけでありますけれども、その開設のときにこういう聴覚障害者の方の対応の説明というのは、その当時はなかったわけでございます。それ以前に、緊急時の対応の連絡体制というのは消防署のほうにはあったかもしれませんけれども、休日夜間急病センターのほうは今のお話だとこれからだと思います。ですから、そこはそこできっちりとやっていただきたいと思います。 今ちょっと1つ質問が飛んでしまったんですけれども、救急車の中において聴覚障害者の方とのコミュニケーション、これについて伺いたいわけですが、ある程度身ぶり手ぶりでもできますが、消防隊のほうがなかなかその伝えるのが難しいと思います。その体制はどのようにされているのかということをお伺いしたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 聴覚に障害をお持ちの方から緊急通報時の支援体制を行っていく場合には、先ほども申し述べましたが事前に消防本部へ緊急時の連絡網を送付しておりまして、110番通報時にはその連絡網に基づいて障害福祉課へ連絡が入ることになっておりまして、順次通訳を派遣する扱いでございます。聴覚に障害をお持ちの方の中で、聾者は手話でしかコミュニケーションをとれない方もいらっしゃることから、緊急搬送に支障が生じるときは緊急連絡網による手話通訳の派遣利用となりますけれども、手話通訳の対応が困難な場合におきましてはジェスチャーやボード等を利用した可能な限りのコミュニケーション方法によって緊急搬送の対応を行っているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 札幌におきましては手話を使える看護師さんのいる病院があると伺っておりまして、緊急時の手話通訳に対する病院の対応は24時間体制と伺っております。帯広市の各病院に余りそういうことは聞かれないわけでありますけれども、今後、救急体制ということを考えますと、消防の救急隊員も含め、病院にも手話対応をする看護師の育成、看護師だけではなくて、これは今回質問いたしませんけれども救急隊員の方も手話に対応される方、手話を使える方の育成ということが必要だと思います。これこそが、このノーマライゼーションを標榜する行政としてやるべき、そして一つひとつ施策を進めるに当たってやっていくべきことではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 病院を初めといたしますさまざまな施設においてそれぞれに手話通訳者を配置するまでには、市内には手話通訳者が十分にいらっしゃらないことから手話派遣制度により対応してきているのが現状でございます。このことから、手話で会話をすることができる人数をふやしていく取組みが必要であると同時に、聾者の社会的障壁を理解し、細やかな配慮ができるよう理解促進の取組みも必要と考えております。 今後、市の職員に関しましては、障害者差別解消法の施行に向けて職員対応要領の策定を進めてまいりますことから、それらに基づいて合理的配慮についての理解促進を図ってまいる考えでおります。また、民間事業所、あるいはただいまお話にありました消防職員などにつきましては、合理的配慮の取組みを進めていくために各団体、あるいは事業所などを対象とした手話に関する出前講座の実施など、法律の啓発とあわせた取組みを検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 民間の病院にはそれぞれの考えがあるでしょうから、手話のできる看護師さんを置くかどうかは各病院が考えることだと思いますが、そういうことも必要だということを行政側から働きかける、これもノーマライゼーションを掲げている帯広市の責務だと思っております。 茨城県では、聴覚障害者のための防災マニュアルだとか災害時手話ハンドブックというものを作成しております。いざというときのためのもので、聾者が障害者手帳に入れて持ち歩けるようなコンパクトに折り畳むものでございます。きょう持ってきたんですけども、実はA4判のこういうものなんですね。これを基本的にこうやって折り畳んで持ち歩く、これが茨城県でつくっているものであります。そして、そこには例えば緊急時に搬送されたとき、ちょっと小さくて申しわけないんですが、人の絵が書いてあります。どこが痛いかということを聾者が指す、もしくは救急隊員がここですか、ここですかということを指せるようなこういうものなんですね。傍らにアイウエオのボードが実はありまして、指を指して文字、要するに筆記ではなくて指を指して会話をするという、そういうものが一枚になったものがあります。これは茨城県の取組みでありますけれども、また呉市でも同じように聴覚障害者災害時支援マニュアルというものがあるそうです。帯広市も、このような聴覚障害者災害時支援マニュアルというものをつくられてはどうでしょうか。ぜひ、これは御検討を願いたいと思います。 企業における手話の取組みでありますけれども、例えばJAL、手話バッジをつけたキャビンアテンダントが100名いるそうでございます。手話のできるキャビンアテンダントもいたということでありますが、ある聾唖者の方と手話でお話をしたときに、手話のできる人がいることがわかるようにしてほしいというそういう要望に応えて、JALでは手話のできるキャビンアテンダントは手話バッジというものをつけているそうでございます。今後は、地上乗務員にも手話のできる職員をふやしていきたい、このように話しています。また、ディズニーランドも、ディズニーランドはキャストというそうですよね。キャストにも、やはり100人ほど手話のできるキャストがいるそうです。もう一つの事例なんですけれども、これは警視庁なんです。東京には、手話交番というものが現在6カ所あるそうです。設置からもう既に20年がたっているそうでありますけれども、手話検定2級を取得している警官約300人、そして1級取得者は70人。1級取得者になると手話で事情聴取ができるという、そういう資格になっているそうです。各署では、2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて独自の取組みとして自前の教材を作成したり、朝の勤務時間前などに同僚や後輩らから手話を学んだりなどの工夫をして積極的に取り組んでいるそうでございます。その意味からも、私は手話のできる行政として、帯広市としてやるべきこととして手話のできる救急隊員、これをふやすということは必要ではないかと思います。いざというときに、もちろん筆談やジェスチャーでもいいですけれども、聾者の方にとって手話ができるということは一番安心できることなんですね。ここの部分をしっかりと帯広市としても、職員もということを部長のほうからも御答弁がございましたけれども、しっかりとこれへ取り組んでいただきたいということを強く要望するものでございます。 次に、手話通訳者に対する報酬について伺いたいと思います。 今、帯広市の報酬、そして全道を見て、手話通訳者の報酬、最高額、最低額、また平均、これがどのぐらいなのかお尋ねいたします。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 手話通訳者にかかわる報酬についてお答えいたします。 帯広市の登録手話通訳者にかかわります派遣手当は1時間1,000円となっておりますが、道内で実施しております市町村の状況を拝見いたしますと、最低では1時間770円、最高では1時間3,000円となっておりまして、平均額では1,367円となっております。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 今、帯広市は1時間1,000円ということでございました。これは、交通費は別途実費ということで聞いております。この3,000円というのが旭川市、そして函館市が1,350円、釧路が1,500円、小樽、北見が1,000円でございますね。今一番最低額が江別市の770円ということだったんですが、これもちょっと調べてみましたら江別市の料金の体系というのが確かに1時間、時間割りにすると770円なんですが、江別市は3時間未満一律2,310円ということだそうです。つまり、1時間であろうが2時間であろうが2,310円ですよというのが江別市の料金体系みたいですね。そして、3時間以上になったときには3,850円、これも時間割りではなくて一律、3時間でも4時間でも3,850円、こういう考え方だそうです。各自治体によってこの料金体系もさまざまでありますけれども。では、近隣ではどうかというと、芽室町は2,000円でございます。新得町は1,500円でございます。その平均をとると、全道で1,367円ということでありますよね。そして、北海道ろうあ連盟に委託した場合は2,000円だそうでございます。 さて、手話通訳者という仕事の内容でありますけれども、2人ペアで通訳をするのが通常となっております。講習会とかさまざまな大会等で手話通訳をする場合、およそ15分交代でされているのが普通だそうでございます。手話は日本語をそのまま手話にできるわけではないわけですね。日本語はおよそ8万語と言われております。ところが、手話は、これは僕の聞いた部分ですけども間違っていたら訂正していただきたいですが、およそ3,000種類と言われているんですね。つまり、手話通訳時に手話通訳者は日本語をある意味一度翻訳をして手話に置きかえて通訳をするというそういう作業になるわけです。かなりの集中力とある意味専門性が必要でございます。その意味からいって、この専門的な手話通訳者の仕事でありますから、今、帯広市が1,000円という報酬、これは決して高くはない報酬。ある意味では安いのかな、もうちょっと対価として、専門性として上げていいのではないか、このように思うわけでありますけれども、先に帯広市が1,000円と決めた根拠をまずお聞きしたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 先ほど御答弁いたしました派遣単価の設定の考え方でありますけれども、保育士でありますとか保健師など、資格を必要とする職種にかかわる帯広市の臨時職員の1時間当たり平均単価を基準として設定したものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) 例えば保育士さんだとか、さまざまな職種があって、臨時職員の単価ということでありました。例えば、私も議員になる前に鉄工所に勤めておりました。そこにも聾者の方がおりまして、鉄工所溶接ロボット、管内に道東にはそこしかないわけですが、溶接ロボット、すごいロボットがあって、その説明のときに手話通訳者の方が来ておりました。どうでしょうか。手話通訳者は手話を、言われたことを通訳するだけというふうに捕らわれがちです。ところが、講習などで聾者の方が講習の通訳をお願いされたときに、例えば作業免許、玉がけというときに、玉がけという言葉を手話通訳者の方自身がわかっていないと、ただそれを玉をかけるってどういうことというふうになっちゃうわけですよね。それで聞きましたところ、一度そういう依頼があったときは勉強していって、そしてある程度勉強して知識を得て手話通訳をするそうであります。そうしますと、私は過去にその溶接ロボットの手話通訳をされた方、これもある程度の鉄工所溶接だとかそういう知識を得てくるわけですよ。同じ通訳という専門性と言っても、手話通訳者は大変な労力があるわけですね。そう考えたときにどうでしょうか。ただ単に、手話通訳をお願いして、それは一般的な臨時職員と同じだからというようなレベルではないと、手話通訳は本当に大変な仕事なんだと思うわけでございます。 もう一つは、今、手話通訳者、不足しているということもありますけれども、これが全てではありませんけれども、やはりこの単価が低いというのも一つ要因にあるのではないかなと思いますけれども。 そこで、御質問をいたしますが、この報酬、そろそろ見直して、少なくとも近隣が2,000円であったり1,500円であったりということがあります。そして、平均でも1,300円何がしですから低いわけであります。帯広市の報酬は、これはもう上げるべきだと思いますけれどもいかがでしょうか。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 手話通訳者は多くの講習を受講した後、ボランティア団体に所属するなどして聾者とのコミュニケーションによる手話の技量の向上に努めるなど、時間をかけて資格を取得してきているとお聞きをしておりますし、そうした努力について私どもも認識をしているところでございます。現在お支払いしております対価につきましては、謝礼的な意味合いの濃いものでございまして、他の通訳業務との単純な比較はできないものでありますけれども、他都市の状況などについてつぶさに情報を収集してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) ぜひとも、手話通訳者の報酬の見直し、これはやっていただきたい。来年度に向けてしっかりと検討してやっていただきたい。近隣、芽室、新得、2,000円、1,500円ということもありますので、少なくともそのぐらいのレベルまで上げるべきではないかなと思います。いずれにしても、これは予算も絡んでくることでありますからしっかりと検討していただきたい。聾者の方にとって手話通訳者は必要不可欠であります。そういう意味ではしっかりと検討していただきたいと思います。 あわせて、次に手話通訳者の育成という部分について質問させていただきたいと思います。 今、私もきょう、手話サークルの方もたくさん見えられております。そこから、その方がまた一歩進めて、手話通訳者を目指されている方もおられるかもしれません。ただ、さまざまな要因があって、それぞれの個々の事情もございますからなかなかそこまで至らないという方もおられると思いますけれども、手話通訳者、この育成をどのように道筋をつけていくのかということでございます。 本年4月から11月までの手話の派遣件数、205件ありました。これを今、13名の通訳者が持ち回りでやられているわけですね。専任の通訳者という方はおられないわけですね。主婦であったりさまざまに仕事を持っていたりという中で通訳をされているわけですから、時には偏りもあると思うんですね、この13名だけであれば。だからこそ、ふやさなきゃいけないし、ふやさなければ先ほどの結婚式の事例、上げましたけれども、ある意味では緊急性を優先したい、まさにそのとおりだと思います。少なければ、そういう広くできないわけですよね。だからこそ、ふやす必要もあるわけでありますけれども。 そこで、今後、帯広市としてどうやってこの手話通訳士、養成をし、人をふやしていくのか、お聞きしたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 聴覚に障害をお持ちの方とコミュニケーションが図られるように、一つには手話でコミュニケーションをとれる方の裾野を広げていくことが大事であると考えております。現在、帯広市で実施しております入門編、あるいはステップアップ編などにつきましては、より市民周知を図り、参加者の幅を広げていきたいと考えておりますし、先ほども答弁で申し上げましたように医療などの現場でありますとか、あるいは救急隊員のお話もありましたけども、広く手話に関する出前講座を実施するなどして裾野を広げる努力を行っていく一方で、より会話実践力の高い手話通訳が可能な人、実践力の向上が図られるよう支援の方策について検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 藤澤議員。 ◆15番(藤澤昌隆議員) これは非常に必要なことでございます。 最後、意見として述べさせていただきますが、手話を必要としている市民の方々にとって、手話通訳者は一般の人とのコミュニケーションをとるためには欠かせない役割を持っております。比較的私たちは聾者の方々を理解して、そしてわかろうと努力します。そして、行政ももちろんさまざまな取組みをしておりますが、その中できちっとした意思疎通をとるためには手話通訳者の存在は欠かせません。 アメリカの手話言語学者の第一人者でありますジェームズ・ウッドワード教授はこのように言っております。例えば、外国人が他国で成功しようとしたらよい通訳者が必要。現地の人とよいコミュニケーションをとるためには、双方の言葉を理解する通訳者が鍵となるからです。さらに、他国に住むことになったらその国の言葉を知ろうとするのは当たり前です。我々と違う手話という言語を使う聾者とのかかわりも同じだと思います。ですから、私たちは手話通訳者の育成にも力を入れています。聞こえる人は聾者に対して障害者だから支援しなければと考えがちですが、聾者の側では手話について理解してくれるだけでいいと考えています。それだけで多くのことが解決するはずです。最終的には、聞こえない人も聞こえる人も対等な人間同士としてコミュニケーションが図られるようになることを目標としていますというのがジェームズ・ウッドワード教授の言葉であります。 結婚式の例から手話通訳者の派遣の問題点を上げました。そして、そこからさまざまな問題も課題も見えてまいりました。その一つひとつを解決するためには、健常者の目から見るのではなくて、手話を使う市民の立場に立って解決していかなければならないということに私たちは気づかなければならないのではないでしょうか。そのためにも、手話を言語として認知し、広く帯広市民が手話の理解の広がりを実感できる、そういう施策を遂行するためにも、帯広市も手話基本条例をぜひとも検討していただきたいということを強く要望しまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○野原一登議長 以上で藤澤昌隆議員の発言は終わりました。 次に、鈴木正孝議員から発言の通告があります。 4番鈴木正孝議員、登壇願います。   〔4番鈴木正孝議員・登壇・拍手〕 ◆4番(鈴木正孝議員) それでは最初に、フードバレーとかちを考え、十勝・帯広農業の力と選ばれる産地づくりの推進についてお伺いをいたします。 私は6月の議会の一般質問において、フードバレーとかちを考え、農業王国十勝の食を支える農業の多面的機能の活用、食、健康、エネルギーと環境のまちづくりについて質問をさせていただきました。この間、政府においては、この国の農業の根幹をなす農業関係団体のあり方を含めた改革を行おうとする規制改革を進めております。規制改革の計画では、農業関係団体に対するものが中心であり、これらの農業団体は他県のそれとは異なり、十勝農業を開拓から130年で日本の食料供給を担う重要な地域として誰もが認める地域に成長させてきたのは、農業者のたゆまぬ努力と研さんはもとより、農協や農業委員会が真剣に農業と向き合い成長させてきたたまものであると考えております。このような当地の現状と乖離した改革が、今まさに進行しているとともに、TPP交渉では11月10日に北京において首脳会議が開催され、終局が明確になりつつあるとの首脳声明が発表され、その後も日米両国を中心として協議が進められております。また、さきの国会においては、日豪EPA協定の国会承認が行われるなど、農業の国際化の大きな流れは着実に進められようとしているのであります。 このように、国は農業のあり方を転換させようとしているところであります。こうした中、農林水産省では、平成23年から平成32年までの食料・農業・農村基本計画の見直しを平成27年3月に取りまとめるため、食料・農業・農村政策審議会に諮問を行い、議論を進められております。こうした議論にも私は注視をしているところでありますが、現在この基本計画の目標として掲げられてきた食料自給率50%を見直し、新たな食料自給力を目標に加えることを検討したものであります。 さて、食料自給力とは一体どのようなものでありましょうか。農林水産省は、自給力とは国内農業生産による潜在的な供給能力を示すものであり、その構成要素は農地・農業用水等の農業資源、農業者の農業技術と定義し、国内農業の底力とも言える生産力と同義語としております。このように、政府は日本の農業政策を大きく転換させようとしている中で、私はこうした3つの自給力がうまく組み合わさった上で食料供給という形となり、さらに消費者に選ばれる産地としての力が必要と考えています。 こうした十勝・帯広の農業の力がどのような状況であるか、順次お伺いをしたいと思いますが、初めに、今後の十勝・帯広農業の将来像を市長はどのように思い描き、成長させていこうというのか、お伺いいたします。 次に、フードバレーとかちを考え、十勝・帯広の環境とエネルギーの目標達成について伺います。 温室効果ガス排出削減に向けた2020年以降の新たな国際枠組みを議論するCOP20が12月1日、南米ペルーの首都リマで開幕しました。2020年以降の温室効果ガス排出削減に向けた新たな国際枠組みに関し、12日まで協議を進めるもので、各国が合意を目指す来年のCOP21までおよそ1年となる中、新枠組み構築に道筋をつけられるか、焦点となっております。新たな枠組みは、一部の先進国だけに温室ガス節減を義務づけた京都議定書にかわるもので、全ての締結国が参加する国際枠組みであり、2020年の発行を目指し、15年末にパリで開かれるCOP21で合意する予定になっているようです。この会議に先立って、欧州連合は10月に、2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減とする目標を公表しました。また、米国と中国も11月の首脳会議で新目標に合意しており、オバマ大統領は2025年までに05年比26から28%の削減、習近平国家主席は2030年ごろまでに総排出量をピークにする、それぞれの表明をしております。 一方、日本では、東京電力福島第一原発事故の影響で将来の電源構成をどのような比率にするかまだ決まっていないことから、目標策定に向け、作業がほかの主要国に比べおくれ、エネルギー政策の議論が進まず、削減目標の提出時期の見通しも立っていないのが現状のようです。こうした中で、この会議の事務局長が新聞社の取材の中で、新たな地球温暖化対策に向け、日本政府に対して温室ガスの削減目標を来年3月までに示すように求めたようであり、EU、米国、中国が新たな削減目標を表明した中、日本の対応のおくれに異例の注文をつけた格好となっています。参考までに、世界でも5番目に二酸化炭素を排出しているのは我が国のようです。ちなみに、1位は中国で、2位はアメリカ、世界の4割を占めております。日本は2020年までに排出量を2005年度比3.8%の削減をする目標を掲げておりましたが、1.3%増加に当たり、目標に遠く及びません。環境省は、省エネの最大限の導入に取り組みたいとしております。日本は世界第3位の経済大国で、先ほども申し上げましたが、排出量第5位の日本が会議で存在感を全く示せていないのは情けないのではないかと思います。新枠組みのスタートまで残り5年間とはいえ、私は再エネルギーの普及、省エネの中・長期的ビジョンをしっかり描いた上で目標の策定を急いでほしいと思っております。 本市は平成20年7月に国から環境モデル都市に選定されたことを受け、平成21年3月に環境モデル都市行動計画を策定し、中・長期の温室効果ガスの削減の目標とその達成に向けた取組み方針に基づく地球温暖化対策の取組みを進めてきたところであります。さらに、平成26年3月には、帯広市環境モデル行動計画第二期、2013年を定めたところです。行動計画では2000年を基準年、約146万トンとして、2018年までに15%削減、2030年までに30%削減、2050年度までに50%削減を目指したもので、住・緑・まちづくり、おびひろ発農・食、創資源・創エネ、快適・賑わうまち、エコなくらしの5つの視点と将来像をもとに、市民、企業、大学、行政などが協力し、地域資源を最大限に活用しながら、今後5年間以内に具体化する予定の取組みをまとめたもの、このように記述されています。このような壮大な計画の達成には、市民、民間事業者など、地域が一丸となって取り組まなければならないと思います。 そこで、お伺いをいたします。 帯広市環境モデル都市行動計画の作成の意義、計画の中でのCO2削減目標の達成の考え方、計画の状況、そして23年度、東日本大震災以降大きな課題となっているエネルギー対策について、本市の考え方をお伺いし、1問目の質問とさせていただきます。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 鈴木正孝議員の御質問中、農業の将来像についてお答えいたします。 農業は私たちの命の源となる食料の生産はもとより、地域経済の活性化や環境の保全などさまざまな面において重要な役割を果たしております。とりわけ、十勝・帯広におきましては大規模で生産性の高い多様な農業が展開され、開拓以来、農業の生産活動が広く地域経済を支えてきております。さらに、この地域の農業は、将来にわたって持続的に成長できる可能性を有しており、地域の強みを生かした活力あるまちづくりを進めていく上で、その果たす役割は今後ますます重要になってくるものと認識しております。 私はこうした考えのもと、農業を成長産業にすることをフードバレーとかち推進の柱の一つに掲げ、農業の力をさらに引き出していくため、生産性の向上、そしてコスト低減などの取組みを進めてきているところであります。また、経済のグローバル化など農業を取り巻く環境が厳しい中、今後さらに農業の成長を図っていくためには、安全・安心で良質な農畜産物を安定的に生産し、地域内でさらに価値を高める体制づくりを進め、国際競争力の強化を図る必要があります。そのため、生産基盤の整備やICTなどの先端技術の活用など、生産性、効率性の向上を図るほか、国内有数の生産力を基盤に、加工、流通、販売まで、地域内でより高い次元で一貫して行うことのできるフードシステムの構築を進め、農業の価値をさらに高めてまいりたいと考えております。 私からは以上であります。 ○野原一登議長 神田亜紀志市民環境部長。 ◎神田亜紀志市民環境部長 御質問中、環境モデル都市行動計画についてお答え申し上げます。 この行動計画は、平成20年7月に国から環境モデル都市として選定されたことを受けまして、2050年までの長期の温室効果ガスの削減目標及び2030年までの中期の温室効果ガスの削減目標とその達成に向けた取組み方針並びに5年以内に具体化をする予定の取組み内容を示すものでございます。現在は、平成26年度から平成30年度までの5年間の取組み内容を示します二期目の行動計画に基づきまして、低炭素社会の実現に向けて進めているところでございます。計画の進捗状況といたしましては8割程度の達成率となってございまして、おおむね順調に進んでいるものと考えているところでございます。行動計画におけますエネルギーの考え方につきましては、再生可能エネルギーの導入を積極的に図るべく取組みを進めているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 今、十勝農業、帯広農業の将来像について市長よりお答えがありました。 私、先日、帯広市図書館発行「市民文藝」第54号を拝見させていただきました。その中に、守るべきものという題名のグラビアがありまして、その一節に、忘れられないものの中で十勝の開拓について書かれていました。帯広郊外の農地の開墾が囚人により行われた。その囚人の農耕作業は1日9時間と定められ、明治26年から大正初期まで続けられ、農業発展に大きく寄与した。その後、開墾地が入植農家に開放されたが、たび重なる冷害や風水害で一切の収穫がないときも入植者は雪と極寒の悲惨な冬に立ち向かい、寒冷地農業を確立した。囚人や先祖の並ならぬ苦労と努力が実り、平成の今日、十勝35万人の食料自給1,100%の農林漁業の豊かな大地となった。市長も今回この特集の中で、忘れ得ぬ1冊で最初に読んだ本が将来の人生に大きな影響を与えたと書いておりました。私も読ませていただきました。私も前回の質問で、十勝農業の歴史について話をさせていただきました。今回の質問は十勝農業の将来像とのことですので、私の意見として皆さんも十分承知と思いますが、将来を考える中で十勝農業の決して順風ではなかった歴史を忘れずに考えていただきたいと、そう思います。 それでは次に、十勝・帯広農業の力について伺いますが、初めに3つの自給力の構成要素である1つ目の農地・農業用水等の農業資源について伺いますが、これまで十勝農業の潜在的な力を向上させてきたのは農地・農業用水等の農業資源の向上を図ってきた農業基盤整備によるものと考えております。基盤整備により明渠排水、暗渠排水などの排水改良を主体として客土、除礫などによる土層改良によって生産向上が図られてきたことは大変重要な取組みと感じているところであります。しかしながら、近年の気候変動によって局地的な豪雨や春先の少雨などこれまでにない気候にも向き合う取組みとともに、多様な農産物の生産に対応する基盤整備の新たな取組みとして、市内においてはかんがい事業の供給が開始されるとのことですが、こうした基盤整備の新たな取組みの方向性と今後の進め方についてお伺いをしたいと思います。 ○野原一登議長 宮脇雅行農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 かんがい排水事業につきましては、大正南地区の札内川かんがい排水が平成27年度より一部供用を開始され、今後は川西地区の事業化に向け、地域農業者などにより構成された促進期成会や国、道などにより検討が進められている状況でございます。かんがい排水事業は干ばつによる気象変動から農作物を守るほか、新たな農作物の作付の可能性が広がるなど、農業生産性の向上が図られるものと期待しており、関係機関と連携し、事業推進に向け取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 計画的に基盤整備が進められているとのことですが、整備後の各施設の維持管理についても課題が多いという声が聞こえています。維持管理の手法の一つに、国は地域資源である農地、水路、農道等の質的向上を図る共同活動を支援する多面的機能支払交付金事業を推進していますが、こうした事業の実施状況と今後の事業拡大の考え方を伺います。 また、基盤整備事業の整備内容は、これまでの農道や明渠事業から暗渠の整備や客土などの事業要望が増加していると伺っています。特に、客土にするための土が近傍では不足しており、事業実施に苦慮しているとの話も伺っております。事業全般では、数年前と比較して建設従事者の不足や公共単価の交渉によっての事業の進捗にも影響が出ているのではないかと心配していますが、どのような状況になっているか伺います。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 多面的機能支払交付金事業による活動は、現在、市内8地区において取り組まれております。農地・水・環境の質的向上を図る地域ぐるみの取組みとして農村地域のインフラ施設の維持管理にも貢献しており、今後は地区の拡大に向け地域と協議してまいりたいと考えてございます。 次に、基盤整備事業でございますが、基盤整備事業における客土事業は生産性向上に大きく寄与する重要な事業でありますが、近い将来、客土用の土の確保が難しくなると伺っており、客土の確保に向け、関係機関と連携し、事業に支障とならないよう対応してまいりたいと考えてございます。 また、公共単価の上昇により事業費も増高する一方で、一部で建設従事者の確保難などから入札が不調となるなど、事業計画の見直しが必要となり、計画の進捗に影響が出ている例がございますが、北海道では工事を区分するなど受注しやすいよう対応しているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 帯広市内の農地面積の推移を見ると、過去5年間ほとんど動きがありません。また、耕作放棄地も帯広市内にはほとんど見られません。これも、やはり基盤整備の評価のあらわれと思います。しかし、市内農村部では、他地域に比べ農道整備や排水路整備、暗渠排水などが早くから行われていて、今後は過去に整備した施設の老朽化や農地整備のさらなるグレードアップという対応の幾つかの課題、計画的な維持補修、再整備が必要と考えます。現在、道と市町村が連携し、整備に係る農家負担を軽減するパワーアップ事業も来年度で終了、道とも連携をしながら今後、農家への負担軽減対策について考えていただきたいというふうに思います。 国が定義している自給力の3つの要素の残り2つの農業担い手と農業技術についてでありますが、十勝管内の農業経営体数は平成12年に7,582戸、平成17年6,880戸、平成22年6,301戸と減少は緩やかに進んでおり、十勝農業ビジョン2016年では組合員に対するアンケート調査を行った結果、後継者がないと回答をした方が31%に上がっているのが実態であり、平成28年度の農家戸数を平成22年と比較し、500戸は減少すると見込んでおります。こうした実態を踏まえ、帯広市では担い手確保を進めていると考えるが、国の対策である青年就農給付金を除く独自の対策に取り組んでいるのか。 また、農業技術の向上において、帯広市農業技術センターを設置し、その目的を農業生産に関する試験研究等を行い、農業者及び農業生産活動の支援の拠点として地域農業の振興に寄与する施設としているが、農業技術の普及のため、どのような方向性を持って取組みを進めているのか。また、具体的な取組みを含め、伺います。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 たくましい担い手を育成、確保するために、帯広市では関係機関と連携して研修機会の提供や農業者の自主性と創意工夫を生かした活動や農業経営者としての能力向上につながる研修を実施するグループに対する助成などの支援を行っております。取組みの内容といたしましては、新規就農者や農業経営後継者などを対象にした研修といたしまして、農業及び農村生活に関する基礎的な知識、技術を身につけるアグリカレッジや他地域の農業者との合同研修を開催するなど、これからの本市農業を支える担い手の育成に取り組んでいるところでございます。 また、農業技術センターの御質問でございますが、農業技術センターは農業改良普及センターや農業団体などと連携し、栽培技術の改善や生産性の向上を図る新しい技術開発の研究などの取組みを行っているものでございます。具体的には、新技術に関するグループ研究への支援を初め、秋まき小麦の栽培試験やサイレージ用トウモロコシの品種比較試験などを実施し、報告書を農業者全戸に配布するなどして農業技術の普及に努めているものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 自給力の向上には、優良な農地の確保、人材育成が重要と考えております。特に、人材は農家だけではなく、JAの職員や道の普及職員、もちろん市町村の技術者、質の高い建築業者など、農業関係者が必要、十勝にはそのポテンシャルは十分に備わっていると思います。さらなる全体のレベルアップと量的確保が必要と思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 直接農業の担い手となる人材の確保対策は非常に重要な取組みではあるが、こうしたそれぞれの取組みとともに農業従事者となる労働者の不足も大切な取組みであると考えております。十勝地域は大規模な経営面積に機械化が進んだ地域であり、現状の十勝管内の平均耕作面積は平成22年度で37.3ヘクタールと全道平均の1.6倍、全国平均の24倍となっております。今後も農家数は減少し、規模拡大が進む傾向にあることは各種の統計アンケートなどの調査により明らかであります。このような情勢から、今後は労働力不足をカバーするための政策が必要であり、有数立国である日本の科学技術をこの農業に取り入れていくことは大変有効な手段であると考えております。 市長が3月に出された「夢かなうまちおびひろ」において、公約のイの一番に掲げているのが、ICTなどの先進技術を活用し、産学官連携で十勝型スマートアグリを進めます。私も十勝スマートアグリを推進することにより、十勝農業の課題の一つを乗り越えられると考えております。また、先端技術の活用は、労働力の解消策以外にも、農業技術者が職人的な技術継承から科学的な技術継承となり得るものと考えております。 そこで、伺います。 現在の十勝スマートアグリの取組み状況について伺います。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 本市農業を将来にわたって発展させていくためには、ICTなどの先進技術を活用し、より省力化、効率化を図りながら生産性の高い農業を目指す必要がありますことから、その実現に向けて取り組んでいるところでございます。取組みの具体でございますが、帯広市では国に先駆けまして乳牛の優良後継牛の確保に効果的とされます性選別精液の普及や農作業支援としてアシストスーツによる作業負荷軽減効果に関する調査研究などに取り組んでおりますほか、民間企業側におきまして人工衛星や無人ヘリコプターによるリモートセンシング技術を活用した圃場管理の実証試験が本市で行われるなど、先進的な動きが出てきております。スマートアグリの推進に際しましてはこうした先進技術の活用が必要となりますことから、異業種の民間企業などを含め、産学官の連携により取組みの一層の推進を図ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 十勝管内では農家戸数は年々減少傾向、帯広地域は後継者は比較的育っており、他地域に比べると安定していると聞いておりますが、しかし道総研中央農業試験場が行った将来予測、今後、一定程度減る方向にある。今後、所得政策の拡充や新規就農支援が重要と考えるところであります。 また、十勝は他地域に比べて大規模化が進んでいる地域ですので、家族経営では労働力が不足し、今後、さらなる規模拡大による労働力不足に対するための取組みとしてITを活用した農業作業の効率化、営農支援組織、コントラクターなどの設立、複数農家による協業型やJA等による酪農の場合、大型法人の設立が考えられます。また、経済の自由化の中、十勝の農業が今直面している国際化への対応、国内の食料供給基地としての安定供給を支えるための農業機械の開発は欠かせません。ロボットトラクターの技術開発は目覚ましく、近い将来には何台もの無人トラクターが畑の中を走る光景が当たり前のように見られるのではないでしょうか。期待をしております。 それぞれ十勝・帯広農業の自給力について伺ってまいりましたが、私は国が考える農業の力は、農地・農業用水等の農業資源、農業者、農業技術は農業の基礎的なものと考えております。十勝農業はこれまでも日本の農業を牽引している地域として食料自給率1100%を誇る地域でありますが、今後も日本の農業のトップランナーとして取組みを行ってこそ、トップランナーとしての地位を維持していかなければならないと考えています。 これまで、自給率や農業産出額で地域農業は評価されておりますが、今後の農業を推進する力を評価すべきではないでしょうか。世界の地球温暖化に伴う気候変動や海外の市場などを俯瞰した農業も行われるべきと考えております。 そこで、伺いますが、これまでも企業等の連携に新規作物づくりが行われてきていると思いますが、今後もさまざまな作物へのチャレンジが必要と考えていますが、帯広市における新規作物の取組み状況、今後の取組みの考え方について伺います。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 本市の新規作物の取組みでございますが、近年ではタマネギやトマト、薬草といった品目につきまして、市内の生産者団体や実需者と密に連携を図る中で栽培試験を実施するなど、当地における栽培技術の確立と生産現場への普及に努めるなどの取組みを進めているところでございます。 新規作物の導入による経営の多角化は、農業経営の安定化につながりますことから、今後もより収益性が見込まれる作物につきまして、当地における栽培体系や栽培技術の確立に向けた試験を実施し、生産現場への普及に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 日本食の文化が国際的に認められてきた中、国内の食料文化もグローバル化されてきています。消費者のニーズも変化してきます。新規作物の取組みは大切と考え、新規作物による取組みがまちづくりに成功した例も聞いています。考えていただきたいと思います。 自給力の質問の中で、私は消費者に選ばれる産地としての力が必要とお話をさせていただきましたが、選ばれる産地となるためにはブランド戦略が大切であると考えています。原材料のブランド化はベースとしては大変重要でありますが、地域経済で考えると1次、2次、3次産業全体でのブランド化への取組みが大切と認識しております。帯広市はこれまでブランド化の取組みについて、とかち財団にある十勝ブランド認証機構を設立し、安心・安全、おいしい十勝産食品を認証する制度をとってきました。また、個性ある産品づくりを支援したその品質を向上させ、認知度を高めるために地理的呼称制度を積極的に採用し、普及させ、十勝産品の品質向上を支援してきました。 このように、市は十勝ブランドの確立に向けた取組みを行っていますが、韓国では「TOKACHI」が商標登録されようとしております。これまで育ててきたブランドのイメージを壊されてしまうことも心配されます。報道等では、道、市や関係5団体が共同して異議申し立てをしているが、市はこれまで東南アジアを中心とした観光プロモーションを積極的に展開し、十勝の食と観光の魅力をPRしていると認識していますが、このような海外展開を行う上で十勝ブランドを守る取組みが今まさに必要と考えます。今後、韓国のような事態が東南アジア諸国において行われることが想定されるが、東南アジアにおける十勝に関連した商品登録の状況を把握しているのか、また今後どのような対策を講じているのか、伺います。 ○野原一登議長 中尾啓伸商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 このたびの「TOKACHI」、これはローマ字表記でありますが、その商標出願の事例に見られますように、現在、海外におきまして日本の地名や地域の特産品が商標として勝手に出願、登録されるケースが相次いでございます。これらの動きに対し、一自治体といたしまして商標登録状況を逐一把握すること、またその動向を察知して未然に防止を図る方策を講じることは困難であるものと考えてございます。 一方、このような無関係な第三者により地名やブランドなどが商標登録されている事態を受けまして、去る12月3日、日本に加えアメリカ、中国、EU、韓国の各関係機関によるいわゆる悪意の商標出願防止策に関する国際会議が開催されたところでございます。この会議におきましては、各国の制度が抱える課題について意見が交わされており、制度改善への意向も示されておりますことから、今後、国家間における改善に向けた取組みに期待をかけてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 十勝としては、現在、韓国との取り決めは少ないと聞いております。商品登録に出願されている取扱品目も、菓子類など少ないとも聞いております。ただ、韓国が現在日本の取引が多い、例えばシンガポールとか台湾とか中国、ここの国と同意するとその国にも輸出できない可能性もあると聞いております。一自治体で把握防止は困難と私も考えますが、本市が中心となり、町村と連携をし、道に積極的に働きかけるべきと考えますので、お願いをしたいと思います。 先ほど、十勝ブランド商品のお話をさせていただきましたが、管内においては十勝を名称とするブランド化を進めるのが数多く存在しています。これらは消費者にわかりやすいようにロゴマークをつくり、商品へ添付する取組みとしても行われています。例を挙げると、先ほどの十勝ブランド承認のダブルスターと、フードバレーとかちロゴマーク、つい最近では農業団体が発表した「Made in 十勝」、それぞれの十勝が十勝食品のイメージアップのために取り組んだ取組みだと思います。域内の消費者から見ると、ロゴマークだらけで統一感がないとも受け取られかねないのも事実であります。こうしたロゴマークの統一やそれぞれの取組みをわかりやすくPRする方法はないのか、また今年度から始めたフードバレーとかちのロゴマーク普及状況、今後の普及目標をお伺いいたします。 ○野原一登議長 相澤充産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 ロゴマークに関しましてはダブルスターといずれのロゴマークも事業主体が自主的な目的を持ってそれぞれが取り組んでいるものでございます。フードバレーとかちロゴマークにつきましては、消費者への見える化を図ることで安全・安心な食材選択の目印になることや十勝産食材のさらなる利用拡大、販路拡大につなげることを目的としてございます。平成26年11月末現在、先月末現在でございますが、商品パッケージにつきましては6社50品目、飲食店メニューにつきましては101社335のメニューに活用されている状況でございます。 なお、今後の展開に具体的な数値目標を立ててはございませんが、ロゴマーク活用を行いながら十勝のブランド力を強く発信して、「とかちのかち」、あるいは十勝の魅力を効果的に発信していく必要があると認識しているところでございます。また、これからもより多くの商品やメニューに活用いただけるよう、さまざまな機会や手段を通しまして事業者の方々に周知していく考えでございます。 以上です。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 差別化の取組みとして行われているブランド化が、域外消費者から見ると非常にわかりづらくなっているのが事実だと思います。また、これに道では道産食品登録制度や独自認証制度、また各地域で同様の取組みも考えられております。十勝でも新たなブランド立ち上げの動きもあり、これとどうかかわりあうか、フードバレーとかちが中心になって進めている本市が中心となり、整理をし、消費者等に示すべきではないかと考えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 先ほど、ブランド化の視点で伺ってまいりましたが、選ばれる産地となるために域内の消費者からの選ばれる産地となることも最も必要な考えであると思っております。先ごろ私は、先般、静岡にある大仁ファームを視察させていただきました。そこの農業では独自の基準を制作し、自然農法による農畜産物の生産を行っておりました。農林水産省においては、食料・農業・農村政策審議会の小委員会で有機農業の推進に係る基本的な方針として、耕地面積に占める有機農業の取組みの面積の割合を、現在の0.4%程度に見込まれる面積割合を倍増させる目標を掲げております。当地においても、有機農業に取り組む農業者やこの取組みに賛同された方々が十勝有機ネットワークを組織して活動されております。こうした有機農業の取組みが、当地においても広がることを期待しているところであります。 こうした有機農業の取組みとともに、大仁ファームでは販売されている野菜も非常に流通しているような大きさを統一して販売するのではなく、極力無駄をなくすために小さいものや大き過ぎる野菜でも出荷販売しております。当地においては、大量に生産されるものを高品質で全国に届けることが使命である地域ですので、細かく品質別に選果される市場を有しているのが当たり前であります。しかし、野菜の種類によっては品物の大小や見ばえによって味が変わるものではありません。こうした事実を、まず地元の方々に理解していただき、地域内で流通、消費することが必要ではないでしょうか。遠回りに見えますが、大切な取組みであると考えております。市はこうした消費者理解の取組みをどのようにされていますか。また、現状を示す数値として、第2次帯広市食育推進計画の平成25年度の地元の農産物をよく使う市民の割合では目標を下回っている状況と伺っていますが、目標を下回っていることに対する現状認識についてもお伺いいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 消費者理解の取組みにつきましては、規格外野菜を含め、地場農産物がそろう帯広の森市民農園のおはよう朝市などの開催をしておりますほか、帯広市のホームページに市内16カ所の農産物直売所の情報を掲載するなどし、生産者と消費者が相互に交流、理解できる場づくりを通して消費者理解の促進に取り組んでおります。また、規格外のバレイショを学校給食の食材として導入する際の橋渡しをするなど、さまざまな機会を通じまして消費者理解の促進に努めているところでございます。 次に、食育の関係でございますが、第2次帯広市食育推進計画の数値目標中、地元の農畜産物をよく使う市民の割合は実績数値が基準年を下回っているところでございますが、これに関しましては地場の農畜産物が地元で多く流通している中、消費者への売り手側となります実需者におきまして、数量確保の都合上、複数産地からの調達を行うため、特定産地の表示がなかなか難しいといった声も聞いており、こうしたことも数値が伸び悩んでいる一因にあるものではないかと認識しているところでございます。こうした状況の中にありまして、帯広市といたしましては、売り手側に対してフードバレーとかちのロゴマーク普及への理解を求めていくとともに、日常の生活の中で市民が食育を実践できるよう、食育を学ぶ場を継続的に提供していくことを初め、庁内関係各課や関係団体などが連携を図り、総合的に食育を進めていくことが必要であると考えているものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) ここでは自然農法についてちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、まだまだ生産性には問題があると思いますが、考え方として、自給力が高いとしても環境に負荷をかける農業はやはりあってはいけないのではないかというふうに考えています。今、化学農薬が、これは今現実必要なものと私は考えておりますが、私は先日、農業がもたらす環境への貢献ということで、農業から得る環境の貢献でおいしい水だとかおいしい空気が私たちに享受されているというお話をさせていただきました。ただ、化学肥料も約半分が大気に放出されて環境悪化の原因にもなっていると聞いておりますし、当然、作物の栄養としても捉えていますが、残りは残留という形の中で土に残っている形も確認しておりますので、今後とも自然農法について十分に取り組んでいただきたいというふうに思っています。 ちょっと時間がありませんので、今、地域活性化モデルケースについても御質問をしたかったんですけども、私の意見とさせていただきます。 この活性化モデルケースで、帯広が地域として農業を核とした食、観光、健康の成長産業モデルに選定されたことは私は大変うれしいことだと思っています。今後、ファーム観光だとかいろいろな部分の中で取り組んでいただけることと考えております。地域活性化モデルケースは将来、来年度、国の重要な取組みと私は位置づけられていると思います。提案次第では大きな成果が期待されると私も思っております。新しい提案が必要、私が思うキーワードは、広域連携、広域循環と考えています。積極的な提案により大きな成果を期待しているところであります。 次に、先ほど言いました環境モデルの件ですが、今回の行動計画の平成26年から平成30年までの5年間の意義についてはいろいろあると思いますが、私はこの全体の計画の期間が長いということ、2050年まであること、そのスパンごとにチェックをしなければならないため、そのスパンごとに担当者は責任を持つことだと思います。担当者はどんどん変わります。後に大きな負担をかけたり、数字合わせがあったりしては私はいけないというふうに思っています。私には無理な数字もあるような気がしますが、計画の進捗状況は8割程度の達成、順調な推移とのことですが、2割は後者に回るわけであると私は思っています。これからの未来の環境を守るための計画ですので、この計画の大切さを理解していただき、取り組んでいただきたいというふうに考えております。 東日本大震災、死者・行方不明者1万8,000人以上ということで、現在も避難者は24万人以上の大災害です。3年9カ月を経過したわけですが、今私たちができることはこの災害を決して忘れてはいけないこと、これが大切。一日も早い復興をお祈りしたいと思っています。誰もが予測することができなかった自然がもたらしたこの福島第一原発事故、日本の国民は今後のエネルギーのあり方について意識を変えたいと思っています。自然と共生する循環型、環境保全の地域づくりを目指していただきたいと思っています。時間がありませんので、順次できる限り質問させていただきたいと思います。 本市では、新エネルギー補助金、太陽光発電システム導入資金貸付金などを利用し、市民に対してのCO2削減のための支援を行っていますが、今年度の状況は募集期間は12月26日までと聞いておりますが、木質ペレットやエコキュート、エコジョーズはおおむね予定数に届きそうであるが、太陽光発電システムは予定300件に対して200件にも届いていない、その要因についてお伺いします。 今年度の実績を考えると、ほかのメニューも検討すべきと思います。市民が必要とする補助メニューをリサーチする工夫が必要と思います。次年度以降のこの補助制度の現在の予定があればお伺いをしたいと思います。 ○野原一登議長 神田市民環境部長。 ◎神田亜紀志市民環境部長 太陽光発電システムの補助件数は伸びていないというお話でございます。 この要因につきましては、昨年度、余剰電力の買い取り価格が下がったこと、また太陽光発電に関心がおありの方、関心が高い方には行き渡りつつあるのではないかと推測もしているところでございます。また、設備の価格は当初に比べて下がってきてはおりますけども、いまだに高額であるということもそれらの要因の一つとして推測をしているところでございます。 新エネルギーの機器につきましては、日々新たな製品が開発されておりますことから、情報収集はもちろんでございますけども導入促進に向けた手法について検討するなど、施策の推進に努めてまいります。 以上です。 ○野原一登議長 鈴木正孝議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 省エネですね。新エネ、機器の技術は大きく進歩しております。また、市民のニーズも毎年変化していると思います。本市はなかなか内容に変化がないのではないかと思います。他地域では、例えば太陽熱利用システム、地中熱ヒートポンプ、ガスコージェネエンジン、燃料電池、蓄電システム。例えば、省エネの冷蔵庫の買いかえキャンペーンなど、いろんな意味で補助金対象機器があります。また、太陽光と蓄電システムの組み合わせとか、内容が豊富です。また、同じシステムを市民だけでなく中小企業者向けのエコ資金補助も多くなっています。また、そのものに対しての対価、例えば太陽光、今はシステムに帯広は5万円ですけども、各地域ではまだキロワット当たり4万5,000円など大きな差があります。地域ごとに考え方はいろいろありますが、環境モデル都市としてCO2削減に取り組んでいる本市としてはもう少し研究が必要と思いますので、考えていただきたいというふうに思っております。 次に、BDFについてお伺いをさせていただきます。 なかなかBDFの普及が進まない。今、一般ガソリンスタンドでも販売をされていますが若干高い。6円ほど高い。なかなか普及しないと聞いております。今、その状況の中でどのように普及を考えているかお伺いをしたいと思います。 ○野原一登議長 神田市民環境部長。 ◎神田亜紀志市民環境部長 BDFの利用促進につきまして、前年度におけます公用車のBDF燃料使用実績といたしまして、23台の車両によりまして7万2,535リッターを使用してございます。公用車の目標といたしまして、年間10万リッターを目指しているところでございます。 普及につきましては供給体制の強化が必要でありますことから、現在BDF製造事業者におきまして、国の補助を受けまして供給基地設置に向けた取組みが進められてございまして、さらなる利用促進が図られるものと考えているところでございます。今後につきましても、十勝バイオディーゼル燃料普及促進協議会と連携を図りながらBDF利用拡大に努めてまいります。 以上です。 ○野原一登議長 鈴木議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 公用車への取組みは評価をいたしたいと思いますが、公用車のディーゼル車の台数にも限りがあります。利用拡大にも上限があるということだと思います。年間10万リットルの使用目標の達成に努めていただきたいと思います。 民間への普及については、単価差リッター6円もあれば市民や民間業者への普及はなかなか進まないと思います。インセンティブを払うのも一つの方法ですが、北海道コカ・コーラはCSRの考えでトラックを利用しております。市民にも消費者にも責任が求められるのか、理解していただけるのは難しいかなと思いますが、これも一つの手法と考えていただきたいというふうに思っています。 また、ここは意見だけにさせていただきますが、BDFの自動車燃料が難しいのであれば暖房燃料として取り組んではいかがかということを思っています。BDFのボイラー燃料としての利用は可能です。BDFの燃料転換の経費も、タンク等の既存設備をそのまま利用することができますので、既存の設備更新と変わりません。一番の利点は、BDFはカーボンフリーなので、CO2の削減率は100%です。ちなみに、天然ガスは20%から30%です。CO2削減に大きな効果をあらわすと思いますので、来年度もボイラー等の更新がありますので、検討していただきたいというふうに思っています。 次に、大分飛ばさせていただきまして、市の新電力の導入の取組みについて伺いたいと思います。今の現状についてお話を伺いたいと思います。 ○野原一登議長 山崎雅市総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 平成12年に電気大口使用者への小売事業が自由化されたことに伴いまして、道内におきましても新電力を導入する自治体がふえてきてございます。 帯広市におきましても、これまで電気料金削減の観点から新電力導入に向けた検討をしてきたところでございます。一般的に、新電力は電気料金の削減が期待される一方で、施設の種類や電気使用量の多い時間帯によっては削減効果が小さいものでもございます。こうしたことから、現在、先行している自治体の情報などを収集しながら対象施設の選定や契約方法などにつきまして検討しており、早期導入に向けて作業を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○野原一登議長 鈴木議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 早期取組みについて作業を進めているとのことですので導入を決めているのかなという思いもありますが、この取組みは大竹口議員が以前から取り組んでいるのを承知しております。私からも大竹口議員にかわりまして、導入に向けてぜひとも早目の調整を行っていただきたいというふうにお願い申し上げます。 現在、市では新電力の早期導入に向けて検討しているとのことですが、どのような施設を対象にしているのか。また、契約期間、さらに新電力は一般電気事業と比べると供給できる電力が少ないことから安定供給に不安があると思います。こうした点についての対策をお伺いいたします。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 新電力につきましては先ほどもお答えをいたしましたとおり、施設の種類や電気の使用時間帯によって削減効果が変わってまいりますことから、先行自治体においては庁舎や学校施設など、平日の昼間を中心に稼働する施設で導入する事例が多くございます。また、電力の需給状況などによって価格が変動いたしますことから、契約期間につきましては1年間とし、毎年入札により新電力事業者を決定している事例が多くございます。 次に、発電設備のトラブルなどにより一時的に新電力からの電力供給が不足する場合に備えまして、通常、新電力会社は一般電気事業者などから電力を融通してもらう常時バックアップ契約を締結しておりますことから、停電などが生じることなく電力が供給される仕組みとなってございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 鈴木議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) トラブルのないような新電力の取組みについてとり行っていただきたいと思います。 今、十勝では広域的な取組みとして十勝バイオマス産業都市構想が進められています。現在、市では今、新電力導入に向けて検討しているとのことですが、事業者の選定に際して、単なる金額だけではなく、十勝のバイオマス等で発電したクリーン電力、調達していることを入札参加条件にすることで町村でつくったクリーンな電力を帯広で消費する広域的な取組みが進むと私は考えておりますが、伺います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 新電力の導入に際しましては、国におきましても自治体が電気の供給を受ける契約を締結するに当たり一定の競争制を確保することを前提として、入札参加業者の選定に際して再生可能エネルギー等の活用状況に配慮するよう求めるところでございます。 御提案の件につきましては、今後、本市が新電力の導入に当たり、事業者の選定などでどのような対応が可能か研究をしてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○野原一登議長 鈴木議員。 ◆4番(鈴木正孝議員) 私も、この件に関しては何とか進めていただきたいというふうに思っています。 先ほど、北海道コカ・コーラがCSRという取組みを考えているということです。クリーン電力の調達は環境モデル都市帯広市にとってもCSRの考えに私は同意するのでないかというふうに考えていますので、ぜひこの取組みを行っていただきたいというふうに思っています。 まことに時間がなくて申しわけなかったんですけれども、今、この新電力は他地域でつくられたクリーンなエネルギーをこの帯広市で消費する広域循環と私は思っています。先ほどの広域の取組みについてですが、BDFのことについてもう少し触れたかったんですけれど、帯広の中ではもうなかなか採用者も限度が来ている中、今度は帯広でつくった、帯広で消費した油を使ったこのBDFを地方の役場とか町村に利用してもらう、これも私は一つの広域循環、広域的な連携の取組みと考えております。せっかく今、この取組みが十勝全体で行われることを私はもう大変評価をしておりますので、今後とも広域循環、広域連携を十分に意識しながらまちづくりを行ってほしいとお願いをいたしまして終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○野原一登議長 以上で鈴木正孝議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を午後1時といたします。         午前11時45分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○野原一登議長 再開いたします。 次に、有城正憲議員から発言の通告があります。 23番有城正憲議員、登壇願います。   〔23番有城正憲議員・登壇・拍手〕 ◆23番(有城正憲議員) 通告に従い、質問をさせていただきます。 初めに、観光振興についてから御質問をさせていただきます。 我が国は2008年をピークに人口が減少し、このまま推移すれば2050年には1億人を割り、2100年には5,000万人を割り込む水準まで減少すると言われております。また、同時に東京圏と地方との経済格差も拡大し、ますます東京圏への一極集中を招くおそれがあります。 このように、地方は人口減少を契機に地域経済の縮小を招き、地域経済の縮小が人口減少を加速させるという悪循環の連鎖に陥るリスクが高くなるわけであります。地域の人口減少をいかに食いとめるかであります。やはり、地域に働く場をつくることと交流の人口の拡大が大切であると思うわけですが、そこで私は今回、交流人口の拡大の柱である観光振興についてお伺いするわけですが、国は観光立国と唱え、訪日観光客の増加に向けて各種取組みを推進し、昨年初めて1,000万人を超えたところであります。最近では、中国の訪日観光客もふえているとの話もあります。 そこで、お尋ねをいたします。 市長は就任以来、十勝の魅力や物産を売り込むため、みずからトップセールスによる東アジアや東南アジアを訪問しており、11月もインドネシアと香港への観光プロモーションを実施しておりますが、海外の観光客誘致についての基本的な考えについてお伺いをいたします。 次に、最近の農業情勢についてであります。 米沢市長就任直後の時期は、市長が抱えてきた各種政策の内容確認と農業者である私や仲間、関係者の要望を重ねた質問をしてきました。最近は海外展開や海外輸出、酪農対策や肉用牛生産振興などの質問をしていますが、急激に変わってきた農業情勢に対応するため、新たな展開のお考えをお尋ねしてきたところであります。 これらのことを踏まえた上で、ここ最近の動きに関して幾つか質問をいたします。 韓国特許庁のローマ字表記の「TOKACHI」が商標出願され、9月12日に公告されたとの報道がありました。指定商品や牛乳や加工品、菓子などとしていますが、報道でも大きく取り上げられています。これに対して北海道や帯広市などの関係団体が異議を申し立てたとのことです。この動きの中で、悪意な商標出願を防ぐ対策などについて話し合う国際会議が今月の3日から東京で始まりました。NHKでも悪意の商標登録全国相次ぐとして日本の地名や地域の特産品が海外で勝手に商標の出願、登録されるケースが全国でも相次いでいること、また北海道十勝地方ではローマ字の「TOKACHI」が韓国で牛乳やチーズ、菓子などで出願されていることを報道しています。農業関係者としては非常に気がかりな問題であります。地域商標を守るために国内では地域団体商標制度があり、地域の名称と商品、またはサービスの名称から成る商標が地域商標として使用されることで地域ブランドの育成になります。登録される地域名称と商品の関連性、全国視野からの周知性などを説明しながら、大変な制約の中で北海道における地域団体商標登録として平成18年11月に十勝川西長いもと鵡川シシャモが最初に登録されています。その後、大正メークイン、大正長いも、大正大根を商標登録されています。商標とは、それだけ大変なものなのです。私が心配するのは、農業者などが必死でつくり上げ、地域ブランドとなり、地域商標として交付されるまでになったものが本当に守られるのかどうかであります。 そこで、お尋ねをいたします。 これから、ますます海外に農畜産物を販売拡大していくという動きがある中で、韓国の商標登録の動きなどに関して、帯広市のこれまでの一連の動向と今後に対する対策や考え方について、また地域団体商標に関する市の認識についてお伺いをいたします。 次に、ことしの9月に北海道農政部から北海道農業農村の現状と課題が公表されました。非常に簡潔にまとめられていますが、最後のページに平成26年度農政部重点取組み事項があり、北海道農業の持つ3つの価値を最大限に引き出す施策の展開との表があります。この表では、基本価値は生産力、付加価値は競争力、多面的な価値は地域力と分類しています。3つの価値と聞いた場合、「とかちのかち」の響きを思い出すのですが、帯広市は「とかちのかち」として主に観光レベルで広報活動をしていますが、この活動と農業の関係がよくわかりません。北海道のように農政部がこの言葉を使っているわけではないのですが、全く無関係なのでしょうか、疑問であります。 市の広報によれば、平成24年12月号掲載の市長コラムに、「とかちのかち」の創造と題して書かれています。その中で市長は、今我々の時代がつくり出し、これが十勝だと説明できる価値は何だろう。そして、子供や孫たちにつないでいきたい価値の萌芽は何だろうということを改めて自問していますと書かれており、やはり新しい「とかちのかち」を見つけ、創造していくためには、いま一度真剣に「とかちのかち」を考えなくてはならないのではないでしょうかとまとめています。また、平成26年1月号の年頭の挨拶で市長は、先人たちは自分たちの地域は自分たちでつくるという気概を持って「とかちのかち」を生み出してきました。そして今、その価値をさらに高めるため、ここに住む人、この地域に夢と希望を感じる人々が集まり、知恵と力を結集してさまざまなチャレンジを繰り広げていますとまちづくりに取り組む決意を述べています。 そこで、お尋ねをいたします。 フードバレーとの言動や一連の流れは否定するものではありませんが、「とかちのかち」に農業がどのように位置づけされているのか、どう貢献していけるとお考えなのか、農政の観点からお考えをお伺いいたします。 次に、農業委員会からの建議書、要望書についてお尋ねをいたします。 農業委員会の行動に関しては、26名の農業委員さんの協議活動でありますので立ち入って質問はいたしませんが、建議書、要望書の内容が市のホームページに公表されていますので、受容側である市の農政部にその後の対応をあえて質問することを御了承願います。 平成25年10月に帯広市農業振興方策に関する建議書が市に提出され、ついせんだって10月31日には平成27年度農業振興予算に関する要望書が提出されております。帯広市農業振興方策に関する建議書では、農業者が将来に希望を持ち、持続的発展性のある農業経営が行われるよう各種施策を推進することを要請しています。 また、平成27年度農業振興予算に関する要望書では、国に対する要請活動が3点あります。次いで、市の農業施策への要望が4点ほどあります。今回、市の農業施策への要望の4件のうち、予算確保などを除くと以下のとおりになります。 1、土地改良事業の計画的推進と地元負担の軽減に関する要望として、土地改良事業の計画的推進、地元負担軽減の継続。 2つ目に、鳥獣被害防止対策の推進に関する検討要請として、駆除活動の予算確保、ハンター育成や捕獲技術向上対策。 3つ目、帯広市農業技術センターの機能強化への要望として、地域農業者への期待維持、ホームページの活用の3項目です。 そこで、お尋ねをいたします。 これらの農業委員会からの要請事項について市の農政部はどのように進めていくのか、一般市民や農業者に向けて簡潔にわかりやすく御説明を願います。 次に、ばんえい競馬についてお伺いをいたします。 ばんえい競馬は昨年の決算において黒字を出すなど、その後大変好調とのことでありますが、年間の3分の2の日程を終えた今年度のばんえい競馬、昨年度に引き続き発売額は好調に推移しており、このままで経過すれば平成19年度の発売額を上回る勢いであります。 そこで、お尋ねをいたします。 その中でも電話、インターネット投票発売額の伸びが顕著となっているが、その要因についてどのように分析をしているのかお伺いをいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 有城議員の御質問中、観光振興についてお答えいたします。 私はフードバレーとかちの展開方策の一つとして、十勝の魅力を売り込むを掲げ、海外に向けた観光や物産の販路拡大のプロモーションを実施してまいりました。特に、中国や台湾、シンガポールなど、東アジアや東南アジア地域は人口も多く、今後さらに経済の発展が期待され、観光や物産のターゲットとして大変有望な地域であると捉えているところであります。訪問した国や地域では、十勝の美しい自然や雄大な風景を初め、先進的な農業やそこから生み出される安全・安心な農産物のほか、ばんえい競馬などこの地域ならではの魅力や価値が評価されております。また、先月訪問したインドネシアや香港におきましても、北海道らしい自然や十勝のスイーツのみならず、農業関連のツアーや修学旅行などにも高い関心が寄せられるなど、改めて十勝における観光の可能性に手応えを感じたところであります。 現在、国におきましては2020年の外国人旅行者数を2,000万人とする高い目標を掲げ、訪日ビザの発給要件の緩和や免税品の拡大など、観光立国の実現に向けた取組みも進められております。今後、海外からの旅行者はさらに増加することが期待されており、十勝・帯広におきましてもこの絶好の機会を逃すことなく、有望なマーケットを的確に捉え、十勝の認知度向上と観光客の誘致に向け、地域の関係者の皆さんと力を合わせて十勝の魅力を売り込んでまいります。 私からは以上であります。 ○野原一登議長 宮脇雅行農政部長。
    ◎宮脇雅行農政部長 御質問中、最初に、韓国における商標登録と地域団体商標に関する認識についてお答えをいたします。 今回の韓国におけるローマ字表記「TOKACHI」の商標出願に対しましては、北海道、帯広市、十勝町村会、帯広物産協会、十勝農業協同組合連合会の5者が共同で異議申し立てを行っており、今後の韓国特許庁の客観的かつ公正な審査に期待をしているところでございます。このたびの韓国の事案のみならず、アジアを中心に十勝由来の名称や地名が商標登録化される動きがございます。今、十勝の農業協同組合が一体となって「Made in 十勝」をブランドとして販路拡大を図ろうとしている中、こうした取組みを阻害することになりかねないことから知的財産の適切な保護、保全がなされる必要があると考えるものでございます。 また、地域団体商標登録でございますが、地域団体商標登録は地域名と商品名から成る商標を、より早い段階で商標登録が受けられるようにすることを目的とした制度であり、地域ブランドの育成に資する有効な手法の一つと認識しているものでございます。 次に、「とかちのかち」と農業のかかわりでございますが、一昨年から首都圏を舞台として展開いたします首都圏イメージアップキャンペーン「とかちのかち」は、十勝の魅力や優位性を国内外へ発信し、販路と交流人口の拡大を図る戦略として取り組んでいるものであり、農業はこの取組みにおいて最も中核的な位置づけにあるものと考えてございます。豊富で安全、良質な十勝の農畜産物を初め、田園風景と豊かな自然が織りなす景観は十勝の基本価値であり、こうした基本価値が人々を引きつけますことから、農業は「とかちのかち」キャンペーンに必須の存在として貢献していると考えております。 また、本市の基幹産業でございます農業の価値を高めることにより、加工、小売、観光など、他の産業にもその効果が波及していくことからも、「とかちのかち」の中核である農業の発展は関連するさまざまな産業の価値をも高めることになるものと考えるところでございます。今後も生産者や生産者団体を初め、関係機関などとも連携し、新たな価値の創造に取り組むことにより、地域産業全体の価値向上に貢献してまいりたいと考えてございます。 次に、農業委員会からの要望についてでございますが、土地改良事業につきましては、昭和40年代から継続的に基盤整備が進められたことによりまして、今日に至るまで帯広市が国内有数の食料供給基地として発展してきたものと考えております。現在の整備状況でございますが、川西地域で2地区、大正地域で2地区が事業実施中でございます。さらに、今後の事業実施に向け、川西、北2地区が計画樹立を、大正、北2地区は基本計画の策定を行っており、今後とも計画的、継続的に整備を推進してまいるものでございます。 農業者の負担の軽減策につきましては、北海道と帯広市が支援しております食料供給基盤強化特別対策事業が平成27年度まで実施予定でございますが、平成28年度以降につきましても継続して負担軽減となるよう要望してまいりたいと考えております。 有害鳥獣対策につきましては、駆除従事者の育成と捕獲技術の向上を図るため、関係機関と効果的な事業のあり方について協議を進めてまいりたいと考えております。 農業技術センターにつきましては、生産振興に関する試験研究を行うとともに、営農に有益な技術情報の発信などに取り組んでいるものでございます。今後も、農業者にとって最も身近な施設として期待に応えられるよう本市農業の振興に努めてまいりますとともに、農業者が営農技術情報などをより手にとりやすいようホームページなどを活用し、情報発信を積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 佐藤徹也ばんえい振興室長。 ◎佐藤徹也ばんえい振興室長 御質問中、ばんえい競馬の今年度のこれまでの状況、またその要因についてお答えをさせていただきます。 ばんえい競馬の今年度の発売状況につきましては、昨日12月8日までの開催、104日間の発売額が85億3,980万2,200円となりまして、前年度比112.48%で推移してございます。その中にありまして、電話、インターネット投票の発売額が前年度を31.4%上回っている状況にございます。その要因といたしましては、昨年度に引き続きナイター開催を実施したことによるほか、南関東競馬主催者で運営する電話投票システム、SPAT4での発売日数が大幅に増加したことがございます。また、今年度より、CS放送で南関東競馬を除く地方競馬を一つのチャンネルで楽しむことができます地方競馬ナインの放映が開始されまして、これまでばんえい競馬をごらんいただけなかった競馬ファンの方々がばんえい競馬をごらんいただける環境が整いましたほか、より鮮明なレース映像を携帯電話、パソコンなどで見ることができる環境が整備されたことなどが上げられます。電話投票委託会社の分析によりますと、首都圏、東海、関西地区の方々の勝馬投票券購入者が増加していると結果が出ておりまして、今後の発売額確保の取組みといたしましても重要な位置を占めるものと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) それぞれ御答弁ありがとうございます。 それでは、観光振興についてから再度御質問をさせていただきます。 市長のお話はよくわかりました。東南アジアなどからの訪日観光客が増加する中で、海外観光プロモーションのターゲットにしている国や地域の選定についての考え方と先月の市長が行かれたインドネシアと香港の狙いは何かについてお伺いをいたします。 ○野原一登議長 中尾啓伸商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 まず、海外観光プロモーションのターゲット地域についてでありますが、十勝への観光入れ込み客数の上位4地域でかつ物産の販路開拓の拠点となり得る中国、香港、台湾、シンガポールを重点地域としており、これらに加え、訪日観光入れ込み客数や社会情勢、地域の観光関係者の意見などを総合的に勘案し、決定してございます。具体的には、昨年度までは東日本大震災後、観光客の回復が他地域より早く、地域の物産関係者の販路開拓の動きも活発であったシンガポールと台湾を中心にしてきたところでございます。 次に、インドネシアと香港を訪問してのプロモーションの狙いでありますが、インドネシアは今月から訪日ビザが条件つきで免除され、今後の訪日観光客の増加が期待されること、また香港は十勝への地域別観光入れ込み客数が2番目に多く、中国本土への観光面での影響力が強いことから、個人旅行客の誘客の促進を視野に実施したものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) それでは、続けさせていただきます。 外国語の案内やWi-Fiなど、全国的に共通する受け入れ環境の整備についてはどのようになっているのか。ホテルや観光案内所などにおいて対応を進めていると思いますが、十勝・帯広地域としての海外観光客誘致において課題は何か、お伺いをいたします。 ○野原一登議長 中尾商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 初めに、外国語の案内板やWi-Fiについてでありますが、市内ホテルや観光案内所において整備が進められており、市としても幸福駅やとかちむらなどの観光交流拠点施設においてWi-Fiを導入しているところでございます。 次に、地域としての海外観光客誘致の主な課題であります。北海道は海外の観光客からも知名度が高く、かつ安心して訪問できるウインターレジャーの地としてブランドが確立されておりますが、十勝を含む東北海道は道南地域と比べ知名度が低いことが上げられます。その背景といたしましては、十勝でしか体験できない魅力的な観光メニューが充足されていないことや海外観光客を直接受け入れられる国際チャーター便が道南、道北に集中していることにあるものと捉えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ただいま部長の答弁をお聞きいたしておりまして、全国的に見ても海外からの観光誘致事業には大変力を入れているわけですが、ほかの地域との差別化を図るためには、やはり十勝の強みを生かした観光メニューやその充実が必要と考えるわけですが、今後の取組みの方向性についてお伺いをいたします。 ○野原一登議長 中尾商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 今後の取組みにつきましては、ファームツーリズム、サイクルツーリズムなど、地域の強みを生かした十勝らしい観光メニューを充実することで他地域とは異なる地域の魅力の発信と国際チャーター便の就航促進を図り、知名度の向上による海外観光客の誘致につなげていきたいと考えております。 また、海外観光プロモーションにつきましては、4つの重点地域と訪日観光客が増加中の東南アジアを中心に、十勝への誘客の可能性などを勘案しながら推進してまいりたいと考えているところでございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ぜひ、観光客誘致については海外の世界中の人を集めるんだという気持ちで頑張っていただきたいなと思っております。 次に、最近の農業情勢についてお尋ねをいたします。 韓国の商標出願に関する韓国特許庁への異議申し立ては共同で行われていることは理解をいたしました。既に、ローマ字の「KUSHIRO」は登録済みだとお聞きいたします。産地である地域の名前が異国の登録商標になれば、海外展開に最も大きな弊害となることは明白であります。今回の韓国特許庁への異議申し立てに限らず、全ての国で同様な働きがあれば、市や市役所が先頭に立って阻止することを強く要望いたします。 地域団体商標に関連しては、答弁にあったように地域団体商標はブランド化に有効な手法の一つであるとする市の認識は理解をいたしました。 そこで、お尋ねをいたします。 ブランド化を進め、育成していく有効な手段だとの考えですが、現状では全国、北海道、十勝、市内の登録数はどのくらいあるのか。また、フードバレーとかちの推進もあるので、十勝、市内の農業関連指定商品を市としてどうブランドを支援しているのかお伺いをいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 地域団体商標を所管してございます特許庁の公表によりますと、本年11月18日現在で全国573件、北海道26件、十勝9件、帯広市内4件が登録され、商標権が発生しております。なお、帯広市内で登録されておりますのは全て農産品となってございます。 また、ブランド化に係る支援でございますが、帯広市では十勝の農業や農業者の魅力をPRする媒体として「とかち農業ストーリー」を作成活用しており、この中で地域団体商標という言葉は用いておりませんが、登録されております4品を紹介してございます。さらに、こうした冊子のほか、十勝の特産品などをまとめた「十勝の食卓」を市のホームページで発信するなどの取組みを行っているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ただいまの答弁で、十勝、市内でのブランド品としての確立したものの発信支援はわかりましたが、第2、第3と新たにブランド化にしていくために市はどのようなものを具体的にどう支援していくのか、いま一度お伺いをいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 農畜産物のブランド化に際しましては、まずは何よりも安定的な供給とすぐれた品質が求められますことから、本市におきましてはこれまで共同利用施設整備などへの支援を初め、生産段階での十勝型GAPの普及を支援するなどのほか、大都市圏などでのマッチング事業におきまして、実需サイドから引き合いがあった際に生産サイドにつなぐという支援を行ってきているところでございます。また、今年度から、新たに生産者が大都市圏などでのマッチング事業に出店する際にブース代の一部を助成する取組みを開始したところでございます。ブランド化につきましては、これまでも生産者団体や十勝品質の会といった団体を含め、産学官が連携した中で種々取り組んでまいりましたが、このたび国におきましては国が高品質な農産物、食品にお墨つきを与え、不正な表示を取り締まることができます特定農林水産物の名称の保護に関する法律を制定し、今後施行の予定でございます。こうした新たな動きを含め、情報収集に努めるとともに、当地でのブランド化を推進してまいりたいと考えるものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ただいまの答弁にもありましたように、なかなかいろいろな世界的に言っても、やはりこれが本当にブランド化で売れるものとするといろいろまねをしたがるものであります。あるところの国は、長いもを漂白剤を塗ってアメリカに輸出していると。すぐばれてしまうんですけども、それでもやってしまうという恐ろしい事例もございますので、今後対策はきちんとやっていただきたいなと思っております。 農政の観点から、「とかちのかち」に関する答弁をいただきました。農業が中核的な位置づけであり、キャンペーンの必須の存在として、農業の価値を高めることで地域産業全体の価値向上に貢献したいとの答弁でした。 そこで、お尋ねをいたします。 これらの貢献に関して市はしっかりと農業者に伝えているものと思いますが、実際のところ、農業者はその役割に実感を持っているのかどうか不安であります。「とかちのかち」のイメージとして、農業者が担う役割としての価値もありますが、農業者本人が実際に実感しなければ農業が主役だと思えないのではないかと思います。個々の農家が具体的に「とかちのかち」感を実感するのはどんな場合と考えているのか、お伺いをいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 生産者の皆様は安全で安心、良質な農畜産物の生産にたゆまず努力されており、我が国国民の大切な食料の供給を担い、消費者が十勝の農畜産物に寄せる信頼は大変厚いものがございます。また、農業の営みは十勝の景観と文化を育み、水源の涵養や広大な十勝平野の環境を保全するという多面的な機能を有しているものでございます。さらに、地域の基幹産業として、関連する食品加工業を初めとする関連産業に大きくその効果が波及するものであり、農業のこうした価値を生産者は自負されているものと考えているところでございます。このように、十勝の農業は大いなる価値を有しており、これからも生産者とともにフードバレーとかちを推進することで「とかちのかち」が実感されるものと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) 市長はあるインタビューにおいて「とかちのかち」とは何ですかと聞かれて、過去8回清流日本一にもなった札内川の清らかで豊富な水資源、そこから堆積される上質な土、豊かな太陽の光、それが食の安全とおいしさを追求する「とかちのかち」のベースです。最先端技術による向上で農作物が大量生産される時代です。しかし、大地と太陽の下でつくられた農産物のおいしさにはかないませんと言っています。「とかちのかち」は平成24年9月以降のフェイスブックでも物すごく数に取り上げられております。また、プロモーションビデオでも三条高校、農高、保育所、農家、十勝バスなどのほかいろいろな人が出演するが、みんなと歌いたくてこの大地に生まれたと締めくくっています。この「歌いたくて」は強い連携をあらわしていると私は考えます。「とかちのかち」をキャッチフレーズに掲げた市が農家を巻き込んで誘導していただき、フードバレーに貢献できるように強く要望をいたしておきます。 次に、農業委員会からの要望に関してですが、昭和40年代からの基盤整備を進めているとの答弁ですが、もう50年近く土地改良を行っていますが、最近の天候不順でもしっかりと乗り切って農業生産を重ねていることはまさに基盤整備によるものと実感しています。午前中の質問でも土地改良区の質問を鈴木正孝議員がされておりましたけど、私も農業者として重複しない程度に質問してみたいなとは思っております。土地改良事業の計画的推進、地元負担軽減の継続については農業基盤を維持する上で欠くことのできない政策であり、質問はいたしませんが今後とも強固な支援を要望しておきたいと思います。 次に、鳥獣被害防止対策の推進は絶対に欠かせないことであります。鳥獣に食べさせるために作物を作付しているわけではありません。被害を受けている農家は非常に困っているのであります。鳥獣被害防止緊急捕獲対策による捕獲数の向上と駆除活動の予算確保、ハンター育成や捕獲技術向上対策についての考え方をお伺いをいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 有害鳥獣の駆除対策といたしましては、平成25年度から国によりまして鳥獣被害防止緊急捕獲対策が実施され、捕獲従事者が意欲的に捕獲に取り組んだことなどによりまして大幅な捕獲数増が図られたところでございますが、農林水産省では次年度からは同事業を見直す方向にあると伺ってございます。このため、効果がありました鳥獣被害防止緊急捕獲対策の仕組みの継続と拡充につきまして、関係機関に対して要望してまいりたいと考えてございます。 一方、国が推進しております鳥獣被害実施隊は、隊員の狩猟税50%軽減、銃の所持申請更新手続に必要となる技能講習を免除されるなど、ハンターの確保を図るには有効な対策であり、熟年した経験者からの技術の継承が隊員相互に図られ、捕獲技術の向上にもつながりますことから、今後とも関係機関と効果的な事業の実施について協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) 農業委員会からの要望にある鳥獣被害防止対策、市の総括的な認識をお聞きいたしました。事の重大さを十分認識して確実に実行されることを強く要望いたします。 農業技術センターですが、要望書には農業生産技術指導員や和牛飼養管理指導など農業者のよき相談相手として有効に機能しており、地域農業者も大きな期待を寄せていると記載されており、大いに期待されています。最近は農業振興公社の技術指導や確保も大変だとも聞いていますので、この点も含めて農業者の期待に及ぶものとして今後ともしっかりやっていただきたいと思います。 次に、技術センターのホームページの活用の部分ですが、毎年試験研究の報告書を農業者全戸に配布していますが、農業者が気軽に必要な情報を入手できるよう、これまでの試験研究成果を農業技術センターのホームページで公開することを要望するとあります。帯広市の農業関連のホームページですが、外国の情報から国内、道内、市内までの多様な話題と豊富な内容で非常にすぐれていると思います。これに満足することなく積極的な情報発信に努め、大いに活用して要望に応えていただきたい。あえて質問をした農業委員会の要望、いま一度市の総括的な認識をお伺いいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 農業委員会は、農業者による選挙で選ばれました委員と市長が選任した委員で構成される行政委員会として、公平、中立に事務を行う組織でございます。いただいております建議書や要望書につきましては地域農業者の総意と認識しており、これらの意見や要望を真摯に受けとめ、本市農業の発展に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ありがとうございます。 帯広市のホームページの中で、気になる点が1点あります。ホームページの帯広市の農業は文章で説明が100字程度のものでございます。帯広市は十勝平野のほぼ中央に位置し、恵まれた土地条件を背景に輪作体系に基づく小麦、豆類、てん菜、バレイショを中心とした畑作、酪農畜産等、大規模な機械化された土地利用型農業を展開しており、日本の食料供給基地として一定の役割を担っていますとそっけない文章であります。また、農業技術センターの帯広の農業概要でも内容はさほど変わってはおりません。参考までに、旭川市のホームページの旭川農業を開くと、目次だけで3ページ、冊子は全部で128ページもあります。十勝では十勝総合振興局発行の十勝の農業があり、本文53ページ、資料が19ページであります。帯広市の農業推進の参考にするため、都市行政調査などで全国の先進地に行くが、考えてみれば帯広市の農業の単独冊子を持参したことはありません。ボリュームの少ないことを言うつもりはありませんが、帯広の農業を今後とも統計的な説明書程度で紹介していくのかどうか。また、農畜産物を販売拡大していくという動きの中で、製本冊子でなくても簡単につくれる手づくり程度の帯広の農業の単独冊子の用意が必要ではないかと思うが、この点をお伺いいたします。 ○野原一登議長 宮脇農政部長。 ◎宮脇雅行農政部長 帯広市のホームページにつきましては、農業者へ情報を提供するとともに、本市農業に関心を持っていただくために本市農業の概要を紹介するという趣旨で掲載をしているものでございます。本市農業への理解を深めてもらい、本市農業をPRしていく上で、ホームページなどはさまざまな媒体の特徴を生かした取組みが有効であると考えてございます。 また、現状におきましても、帯広市農業技術センター活動内容という冊子の中で、より詳しい取組み内容を掲載しているところではありますが、いま一度議員御指摘の点を踏まえ、帯広市の農業概要を含め、情報発信のあり方につきまして検討してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) ただいま答弁いただきましたが、やはりホームページの農業関係についてはフードバレーと一体感のあるものでございますので、ぜひフードバレーをうたっているんですから少し詳しい目に、大げさでもいいですからそういうことを載せていただきたいと。そういうことで、みんなが魅力的だと飛びつくようなホームページにしていただきたいものだと思います。 要望書は農業者が気軽に必要な情報を入手できるよう、これまでの試験研究成果を農業技術センターのホームページで公開することを求めておりますので、ぜひ技術向上のためにも詳しい技術対策をホームページに載せていただきたい。1年もたって新しくするようなことでは困りますので、やはり作物の生育と同時に技術対策をきちっと行っていただきたいことを強く要望いたしておきます。農政部長が先頭に立ってそのホームページを管理することも、強く要望しておきます。 冊子についてですが、現状は帯広市農業技術センター活動内容という簡易な冊子の中でより詳しい取組み内容等を掲載しているとの説明だが、これでは帯広の農業がどこに書かれているのかわからず本質的な情報発信には聞こえてきませんので、今後、冊子についてのあり方を検討するとのことでございますので、早急な対応をお願いいたします。 次、ばんえい競馬についてお伺いをいたします。 ばんえい競馬は全国の競馬ファンへの知名度という面からまだまだ潜在的に多くの可能性を秘めていると思うが、今後の発売額確保の取組みとして具体的にどのようなことを考えているのかを伺います。また、帯広競馬場を初め、道内の各場外発売所での取組みについても今後考えているものがあれば詳しく説明をしていただきたいと思います。 ○野原一登議長 佐藤ばんえい振興室長。 ◎佐藤徹也ばんえい振興室長 電話、インターネット発売額増への取組みといたしましては、ばんえい競馬の外部露出をさまざまな媒体を活用してふやしていくことが重要であると考えております。具体的には、ばんえい十勝のオフィシャルサイトのスマートフォン版の作成、CS放送、地方競馬ナインでの情報提供を積極的に行うのにあわせ、ばんえい競馬の迫力とだいご味を映像から感じていただくためのレース映像の高画質化に向けた検討を進めてまいります。また、北海道内はもちろん、首都圏、東海、関西地区のスポーツ新聞での馬柱による予想情報の提供を拡大いたしますほか、電話投票委託会社と連携いたしましてそれぞれのサイトでの予想情報の提供、ファンサービスの充実などに取り組み、積極的に進めてまいりたいと考えてございます。北海道内の取組みといたしましては、新たな場外発売所の開設に向け、引き続き情報収集を行うほか、中央競馬の発売体制強化に向けた取組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) 発売額も伸びております。人間おもしろいもので、伸びれば伸びるほどまた上を期待するものでございまして、大変だろうとは思いますけども全身全霊をかけてぜひやっていただきたいと思います。 今年度も、現在のところ発売額は順調に経過しており、今後も積極的な販売戦略を展開し、発売額確保に努めていただきたい。しかし、一方で農用馬生産者の減少や農用馬流通の過程の中で競馬の根幹をなす競馬馬登録頭数が減少しているという現実があります。現在も、農用場生産振興、新馬導入促進などの観点から地方競馬全国協会等の支援施策はあるものの、減少傾向に歯どめはかかっていません。長期的な競馬の継続開催の観点からも極めて重要な課題でありますが、競馬主催者ということで帯広市だけで対応するには難しい課題もあります。その認識と対応などの考えがあればお伺いをいたします。 ○野原一登議長 佐藤ばんえい振興室長。 ◎佐藤徹也ばんえい振興室長 ばんえい競馬の中・長期的な継続開催のためには、競走馬の確保は最重要課題でございます。お話のとおり、農用馬生産振興施策として国などの支援制度がございます。これらの制度の継続実施とともに、新たな振興施策の実施に向けた要請活動を継続することが重要だと考えてございます。競馬主催者といたしましては、ばんえい競馬を継続実施することが農用馬生産につながるとの観点から、競馬運営のための収益確保は最優先でございます。その中にあって、後年次の施設改修や更新、万が一のための財源を確保しつつ、競馬運営のためのさまざまな取組みをバランスよく実施していかなければなりません。競走馬確保の取組みの観点からは、競争賞金等の報償費の増額とともに、農用馬生産者の生産意欲の向上に資するために、関係団体の方々のお話を聞かせていただきながら生産奨励に向けた取組みを検討してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 有城議員。 ◆23番(有城正憲議員) 競走馬の確保というのは、なかなか今、馬肉が上がっております。それで、生産者も、余りうるさいことを言うんなら競馬馬に回すよりも馬肉に回してしまえということでなかなか確保が大変だと思いますけども、ばん馬競馬のためにもぜひその辺も加味して努力していただきたいと思います。いろいろお伺いをいたしましたが、本年度の売り上げは好調ですが決して手綱を緩めることなく、なお一層の努力をお願いしておきます。 今回の質問を総括いたしますと、特に観光はばんえい競馬や幸福駅、ガーデン、八千代牧場や日本一の生産高を誇る食などがありますが、まだまだ眠っている観光資源があります。これからは世界全体を見詰め、地球を丸のみするような膨大な計画が必要であります。ここでなければ体験できないこと、十勝の食と観光の魅力など地域の特性をさらにレベルアップし、つまり価値を高めて提供できるように、関係者はさらに知恵を出して行動につなげて成果を上げていただくことを強く御期待し、全ての質問を終わります。 ○野原一登議長 以上で有城正憲議員の発言は終わりました。 次に、大竹口武光議員から発言の通告があります。 16番大竹口武光議員、登壇願います。   〔16番大竹口武光議員・登壇・拍手〕 ◆16番(大竹口武光議員) 通告に従いまして、1点目に福祉政策、2点目にマイナンバー制度について、順次質問をさせていただきます。 初めに、福祉政策ですが、介護保険サービスの縮減を柱とする地域医療・介護総合確保推進法が6月18日に成立いたしました。介護保険制度が2000年度の創設以来、大きな変革の時期を迎え、高齢者が住みなれた地域で知恵を結集し、地域の特性を生かした取組みが全国各地で本格的に始まっています。今後は同法に盛り込まれた財政支援制度などを活用し、各地域の実情を踏まえたシステムをどのように具体化していくか、自治体の取組みが重要になっていきます。今後、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、高齢者が安心して暮らせる地域社会をどのようにつくり上げていくかは地方における最大の政治課題ですが、初めに2025年に向けた帯広市の高齢者福祉政策について米沢市長の御所見を伺います。 同法では、一律の負担増を避けるため、低所得者の介護保険料の軽減措置を拡充する一方で、一定の収入がある高齢者は介護保険の自己負担割合を引き上げ、経済力に応じてめり張りをつけています。さらに、高齢者の急増に対応するには、現在の施設中心から在宅中心のサービスに切りかえざるを得ないことも明確です。そのため、在宅生活を支える定期巡回・随時対応サービスや小規模多機能型居宅介護サービス、訪問看護などの充実が不可欠となります。地域によって高齢化の進み方や地域が抱える課題が大きく異なる中で、地域包括支援センターが運営する地域ケア会議などを通じて、我がまちに適した効果的なサービス体系を組み立て計画的に執行すべきでありますが、医療・介護総合確保推進法の施行による介護保険制度改正の市民生活への影響と改正を踏まえた帯広市の第六期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画への取組みについて伺います。 次に、マイナンバー制度についてお尋ねをいたします。 住民と行政間における双方の無駄を減らし、高額療養費の決定や国民年金保険料の免除などの行政手続の簡素化による作業量の簡素化を図るため、社会保障・税番号制度であるマイナンバー制度が2016年1月から社会保障分野などでの利用が順次スタートするとお聞きします。社会保障、税、防災の各分野で番号制度を導入するとのことでございますが、ここで改めてマイナンバー制度導入の意義と目的についてお尋ねをいたします。 以上をお尋ねし、1回目の質問といたします。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 大竹口議員の御質問中、高齢者福祉についてお答えいたします。 我が国は世界に例を見ない速さで高齢化が進んでおり、医療や介護サービスの需要の増加に伴い、これまでの体制をより充実したものにすることが必要になっております。 こうした状況の中、国において効率的で質の高い医療提供体制を構築し、地域における医療及び介護を総合的に確保するための制度改正が行われたところであります。帯広市におきましては、今般の改正内容を踏まえ、現在、第六期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定作業を進めているところであります。策定に当たりましては、高齢者一人ひとりが住みなれた地域で生き生きと充実した生活を営むことができる社会を基本理念に医療と介護の連携を強化するほか、特に高齢者が生涯にわたり健康で自立した生活を送ることができるよう、健康寿命を伸ばすためのさまざまな取組みについて盛り込む考えであります。今後、計画の策定推進を通して医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築を進め、高齢者を初め、誰もが安心して住みなれた地域で暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。 私からは以上であります。 ○野原一登議長 中島剛保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 第六期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画への取組みについて御答弁申し上げます。 このたびの制度改正に伴う市民への影響についてでございますが、新たな総合事業や特別養護老人ホームへの入所要件などで、介護度によって受けられるサービスに新たな基準を設けたものや一定以上の所得や資産のある方の負担がふえるものでございます。また、所得の低い方を対象とする保険料の負担につきましては軽減するものなどもございまして、多くの市民の皆様方にかかわるものであると認識しているところでございます。こうしたことから、現在策定作業を進めております第六期帯広市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に当たりましては、これら国から示されております改正の内容を適切に反映いたしますほか、アンケート調査によって得られました結果や市民の皆様、あるいは介護・医療関係者との間で開催をいたしました意見交換会の内容などを踏まえまして策定作業を進めているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 草森紳治行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 御質問中、マイナンバー制度に関する部分についてお答えいたします。 マイナンバー制度は、複数の機関に存在する個人の情報が同一人物の情報であることの確認を行うためのものであります。社会保障・税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平、公正な社会を実現するための社会基盤であるとされております。また、マイナンバー法では、その目的として効率的な情報の管理、利用、迅速な情報の授受により、行政運営の効率化、公正な給付と負担の確保を図るとともに、手続の簡素化による国民負担の軽減、利便性の向上などが規定されているところであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) それぞれ答弁をいただきましたので、福祉政策から再質問させていただきます。 平成27年8月から介護サービスの自己負担が1割から2割に上がり、団塊の世代の高齢者で介護費が膨らむのを抑える狙いで、制度維持にはさらなる負担増や給付抑制が必要との指摘が多いとも聞いております。報道によりますと、制度改正は4つの柱から成っているとお聞きいたしますけれども、具体的にはどのように変わっていくのか、また利用者負担についてはどのように改定されていくのかを伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 利用者負担にかかわる改正内容などについてお答えをいたします。 市民の負担に関する部分といたしましては、介護サービスの利用者負担割合の変更がございます。一定以上の所得をお持ちの方につきましては、現行1割の負担となっておりますところを新たに2割負担とする基準の案が示されているところでございます。このほか、施設サービスを利用した際の食費や居住費の負担金額の区分判定の見直しでありますとか、あるいは介護保険の第1号被保険者の保険料の段階区分についてこれを細分化することや、所得の低い方に関する保険料段階については公費を投入いたしまして保険料負担の軽減を行うことが予定されております。また、特別養護老人ホームへの入所要件の見直しにつきましては、原則要介護3以上とする内容が予定されておりますけれども、要介護1、2の方であってもやむを得ない事情のある方については例外規定が設けられることとなっております。さらに、要支援1、2の方へ提供する介護予防給付の見直しでは、訪問介護、通所介護につきましては平成29年度末までに市町村が行う介護予防・日常生活総合事業へ移行することとなっております。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 制度改正の主な内容についてはわかりましたが、サービスを提供する人材の確保も大変重要になってまいります。介護職員の処遇改善などに積極的に取り組まなければなりません。 成立した医療・介護総合確保推進法では、効率的で質の高い医療を行うための病床の機能分化、連携や在宅医療・介護を推進する新たな基金が都道府県に設置されることになりました。財源は、社会保障と税の一体改革で議論され、明確になった消費税の増税分でございます。今のまま介護費が膨らみ続けると、介護保険料のほか、保険料に投入する税金を賄うための負担もふえていきます。全国平均の介護保険料は、現在の4,900円台から2025年には8,000円台に突入する見通しでもあるというふうに言われております。限りある財源をいかに活用し、重度のお年寄りに振り向ける一方で、軽度のお年寄りへのサービスにめり張りをつけていく必要もありますが、帯広市では高齢化の進展による住民のニーズにどう応えていこうとしているのかを伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 進展しております高齢化と住民ニーズへの対応についてお答えをいたします。 本年6月時点で、帯広市も高齢化率25%を超えまして、今後ますます高齢化が進展してまいります。こうした高齢化の進展に伴いまして、介護費用の増加と保険料負担水準の上昇が見込まれている中で、帯広市におきましても介護保険料の上昇は避けられない状況にございます。 さきに所管の常任委員会へ提示をいたしました第六期介護保険事業計画にかかわる骨子案の中では、月額基準額については5,580円とお示ししたところでございますが、団塊の世代の皆様方が後期高齢者になります2025年、これは第九期計画に相当することになりますが、現在の枠組みでこのまま上昇を続けた場合には月額8,000円台になることも推計の中では得られているところでございます。このように、介護を必要とする高齢者の増加が現状のまま推移した場合、介護費用がふえ続け、保険料の上昇につながってまいりますことから、予防事業の実施でありますとか保健事業の取組みによりまして健康寿命の延伸を図り、介護に依存しない生活を送っていただくことで介護給付費の抑制に努めていくことが重要であると考えているところでございます。今後におきましては、こうした状況を踏まえまして、介護保険事業の円滑な実施を確保するため、在宅医療・介護連携の推進など、新しい地域支援事業や新たな総合事業に積極的に取り組み、在宅サービスや施設サービスの充実に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 市の高齢化率も25%ということでございましたけれども、今後も介護給付費の抑制に向けた市民負担の軽減を図り、知恵を絞った我がまちならではの施策を講じていただくよう求めておきます。 次に、来年4月からは特別養護老人ホームへの入居者を原則要介護3以上の高齢者に重点化するとのことでございますけれども、サービス付住宅の一層の普及とともに空き家の活用など、低所得者でも入居できる住宅の整備を急ぐべきであります。また、施設中心から在宅生活、在宅介護に切りかえていくためには手厚いサービス体制が不可欠でございますが、今後の具体的な取組みについて伺います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 施設から在宅へという展開について御答弁申し上げます。 施設の整備に関しましては、本年6月時点で実施いたしました特別養護老人ホームへの待機状況に関する調査の中で、入所を申し込まれている方のうち1,000人を超えている方がいまだ待機の状態にありますことやアンケート調査の結果などからも、介護保険施設の必要性については一定の必要性を認識しているところでございます。こうしたことから、現在策定中の第六期介護保険事業計画におきましては、地域密着型の特別養護老人ホームやグループホームなどについて232人分の施設整備を盛り込んでいるところでございます。 また、サービス提供体制につきましては、介護を必要とされている高齢者の皆様方が安定して質の高いサービスを継続して受けられますよう、介護人材の育成、雇用の確保は重要な要素であると考えているところでございます。このため、介護職の養成機関への働きかけや介護事業者による処遇改善の取組みなどを推進してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 現在、1,000人を超える方の待機者がおられるということでございますので、現状としては介護保険施設はいまだ市民の需要に追いついていないというような現状でありますことから、より一層計画的に整備を進めていただくよう求めておきます。 また、空き家の活用については、本別町で高齢者支援検討委員会が発足されて、自立生活が困難な高齢者に対する住まいの確保や見守りなどについて総合的な支援を行う取組みが地元紙でも紹介されておりました。スピード感のある取組みに感心いたしましたが、また千葉県流山市では、高齢者住みかえ制度を12月1日から始めております。これら全国の事例を参考にしていただきながら、制度改正に対応した具体的な対策を計画的に講じていただくよう求めておきます。 次に、同法では要支援者向けのサービスの一部を市町村事業に移行し、多様なサービスを実施できるようにして、来年度、2015年度から準備が整った市町村から徐々に移行し、3年後の2017年度末までに全市町村で実施するとしております。それだけに、担い手となるNPOや町内会などの支援、育成も急務であります。要支援者の予防給付事業が国から市町村に移管されることになりますが、要支援者の多様なニーズに具体的にはどのように取り組み、効果的な介護予防事業を提供していかれるのか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 介護予防事業について御答弁申し上げます。 介護予防につきましては、健康寿命の延伸と相まって、高齢者の方が要介護状態などになることの予防や要介護状態などの軽減、悪化防止を目的として行うものでございまして、これまでは介護予防の手法といたしましては心身機能の改善を行うことを目的として機能回復訓練に偏った形で実施してきたところでございます。今後につきましては、機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく、自主的なサークル活動等、通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりも推進してまいりますとともに、介護予防に取り組む高齢者の方々が増加するよう身近な地域に住民主体の通いの場を充実させるなど、介護予防事業機能の強化を図ってまいる考え方でございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) ぜひ、充実した住民主体の通いの場をつくり上げていただいて、介護予防に取り組む高齢者の増加を図るよう求めておきたいと思います。 次に、要支援の予防給付である訪問・通所介護の市町村移行に関しては、受けられるサービスに地域格差が生じることを危惧する声もお聞きいたしますけれども、帯広市の対応策について見解を伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 新たな総合事業の取組みでございますけれども、帯広市におきましては高齢者の在宅生活を支えるため、ボランティアでありますとか民間企業など多様な主体によります重層的な生活支援サービスの提供体制の構築を目指していく考えでございます。国から示されておりますガイドラインを参考にいたしながら、要支援者の方など多様な生活支援サービスのニーズに対しまして多様なサービスを提供していくため、市の実情に応じたサービス内容を検討してまいりますとともに、それに合わせた基準でありますとか単価などの設定についても取り組んでまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 市のニーズを的確に捉えたサービスの内容を検討していただきながら、適正な基準や単価を設定する中で地域間格差の解消を図っていただくよう求めておきたいと思います。 次に、この法律は高度急性期から在宅医療、介護まで、一連のサービスを地域で総合的に確保することが柱でありまして、医療と介護の連携強化がポイントとなりますが、帯広市の取組みについて伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 医療と介護の連携についてお答えいたします。 医療につきましては、病床機能の分化と連携の推進によります効率的で質の高い医療提供体制の構築を初め、在宅医療と介護サービスの提供の充実が大変重要であると認識をしております。治療が必要となる高齢者の皆様にとりまして、病院から退院し、在宅に移行する際には、医師はもちろんのこと、歯科医師、薬剤師、ケアマネジャー、在宅訪問看護ステーション、生活支援サービス提供者などによるさまざまなケアが総合的に提供されていくことが必要と考えておりまして、これら多職種のスタッフによる連携が重要であると考えております。こうしたことから、多職種スタッフの皆様で構成される医療・介護に関する連携や協議の場を設置いたしまして、地域の医療・介護サービス資源の把握でありますとか連携による課題の抽出、対応の協議、在宅医療・介護関係者の研修などを進める中で、在宅医療・介護サービスの提供体制の構築を進めてまいる考えでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 医療と介護の連携強化は今後最も重要な取組みとなりますことから、連携協議会を設置するとともに多職種スタッフの連携を図り、柔軟で強固な在宅医療・介護サービスの提供体制を構築していただくよう求めておきます。 次に、利用料の自己負担率、施設の食事や部屋代などの補助認定基準が厳しくなったりしていく反面、低所得者の軽減策拡大など負担面にもめり張りが強調されているわけでありますが、具体的にはどのように取り組まれるのか伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 介護サービス利用料の自己負担割合でございますが、一定の所得以上の方については新たに2割負担となる見直しが示されているところでございます。現在のところ、一定所得以上とする基準につきましては160万円以上とすることや世帯の人員などによる判定基準などが検討されているところでございます。また、施設サービスを利用した際の食費や居住費の見直しにつきましても、現在、世帯の課税状況や所得などによりまして負担段階の設定を行っているところでありますが、制度の見直しによりまして世帯分離されている配偶者の所得や預貯金などを勘案していくことが要件として示されているところでございます。 また、低所得者の軽減対策といたしましては、世帯全員が住民税非課税の場合、公費を投入いたしまして保険料軽減を行う仕組みを設けていくことが示されております。この改正の施行日につきましては平成27年4月が設定されているところでございますが、消費税増税分が軽減の財源となっておりますことから、具体的な軽減の幅などにつきましては国によりますところの平成27年度予算編成において最終的に決定されるものとなっている状況でございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 介護サービスの自己負担割合の見直しは市民の最大の関心事でありますことから、より一層丁寧な収集に努め、説明責任を果たしていただくよう求めておきます。 次に、地域包括ケアシステムの構築では、サービスの充実として認知症施策の推進が示されており、認知症の人は精神科病院や施設を利用せざるを得ないという考え方を改め、認知症になっても本人の意志が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指すとしておりまして、この実現のため、これまでのケアの流れを変え、標準的な認知症ケアパスを構築することを基本目的とするとしておりますが、具体的にはどのように取組みを展開するのでしょうか、伺いたいと思います。また、認知症サポーターの養成状況と今後の計画について伺います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 最初に、認知症ケアパスについてお答えいたします。 標準的な認知症ケアパスにつきましては、平成27年度中の作成を目指して取り組むこととしております。このため、昨年3月に国から示されております認知症ケアパス作成のための手引に基づき、地域包括支援センターなどの関係機関や関係職種との間で社会資源の整理などに取り組んでいるところでございます。認知症ケアパスの普及につきましては、認知症と疑われる症状が発症した段階において、適切な医療、介護サービスに結びつけられるよう、広報、ホームページ、報道機関なども通じまして広く市民の皆様方へ周知を図ってまいりたいと考えております。 次に、認知症サポーターにつきましてお答え申し上げます。 認知症サポーターの養成状況でございますが、本年10月末現在で8,363人の養成を終了しているところでございます。認知症サポーターの養成数につきましては、第六期帯広市総合計画における成果指標の一つとしても位置づけられておりまして、平成26年度の累計養成者数の目標値は8,670人でございまして、その後、2,000人ずつの養成を進め、平成31年度の目標値としては累計で1万8,670人の認知症サポーター養成を目指して取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 医師や看護師らが家庭を訪問して認知症初期段階から症状を把握し、認知症患者本人と家族の支援に取り組む認知症初期集中支援チームが全国で41市町村に拡大されております。本市での設置の考えと認知症地域支援推進員の現状について伺います。 また、認知症の早期発見につなげるための方策として、認知症気づきチェックリストや市のホームページで家族や介護者本人が簡単に検査できるよう認知症チェッカーなどを導入してはどうかと提案するわけでありますがいかがでしょうか、伺います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 初めに、認知症初期集中支援チームでございますが、これにつきましても第六期計画中に設置するべく準備を進めているところでございます。 次に、認知症地域支援推進員につきましては、平成23年度に地域包括支援センターに1人ずつ配置をしているところでございまして、高齢化などの進展に伴いふえ続けてまいります認知症に対して適切に対応していく必要があると考えているところでございます。 また、認知症の早期発見、早期対応に向けました取組みの一つとして、どなたでも簡単に利用できる認知症チェックリスト、軽度認知障害スクリーニングなどの普及は大変重要であると考えているところでございます。既存のチェックリストなども参考にいたしまして、市民の皆様方が、あるいは家族の方々が御利用しやすいチェックリストを作成して認知症ケアパスに掲載していくよう検討しているところでございます。こうした形で作成いたしましたチェックリストにつきましては、帯広市のホームページなどにも掲載をいたしまして、市民の皆様方に広く周知を図ってまいる考え方でございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 認知症初期集中支援チームの早期設置、また認知症地域支援推進員の増員を図っていただきたいというふうに思います。 認知症施策として、今後は認知症専門員による指導のもとに早期診断、早期対応の体制を地域包括支援センター等に設置されることとなってまいりますけれども、身近なところからしっかり取組み、積極的に推進していただくよう要望いたします。 次に、高齢者の生きがいづくりをさらに広め、高齢者の地域ケアへの貢献と社会参加を促すため、活動実績に応じてポイントが付与され、ポイントに応じたサービスが還元されるという国が認めた介護支援ボランティア事業については貴重な取組みの参考になると認識を示され、第六期計画策定の中で検討していくとしておりましたが、実施に向けて現状ではどのような検討が行われているのでしょうか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長。 ◎中島剛保健福祉部長 介護ボランティアにつきましてはこれまでも内部検討を重ねてきたところでございますが、とりわけ多様な主体による生活支援等を行っていくという第六期計画以降の取組みにとってボランティアの役割は大変大きなものと認識しているところでございます。第六期介護保険事業計画におきましては、生活支援サービスの体制整備などに関しまして、介護事業者やサービス提供者、ボランティア団体、あるいはNPOなど多様な主体から構成されます研究会を立ち上げてその内容について深めてまいりたいと考えております。この研究会におきまして、介護支援サービスに対するニーズと地域資源の把握を行うほか、ボランティアポイントの付与に関することなどさまざまな課題に向けて研究などの取組みを行ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 介護支援ボランティア事業については早期に導入されるよう求めておきます。 次に、介護保険制度の改正に伴い、新制度への対応については関係部署の体制強化を図るとともに、改定された制度や利用者負担の内容を詳しく市民に説明していくことが重要になります。現状では、市のホームページやコミセンではうかがい知ることはできませんが、体制の強化や市民への周知は現在どのように行っているのでしょうか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 中島保健福祉部長
    中島剛保健福祉部長 今般の介護保険制度の改正に伴いまして、市民の皆様に提供するサービスに滞りが生じることのないよう、地域の住民の皆様方にとっての身近な相談窓口でありますとともに、地域包括ケアの構築においては中心的な役割を果たすことになります地域包括支援センターにつきましても体制の確保を図ってまいりたいと考えているものでございます。地域支援事業の充実でありますとか特別養護老人ホームにかかわる新規入所者を原則要介護3以上とすることなど、さらには一定以上の所得のある方の利用者の自己負担を1割から2割へ引き上げることなど、さらには低所得者の保険料の軽減割合の拡大、その他全国一律の改正事項につきましては、新聞でありますとかテレビなど国からの報道発表により一定の周知は図られているものとは存じますが、帯広市といたしましても平成27年度からの新たな段階別介護保険料額でありますとか低所得者の保険料の軽減を初めとする諸手続の変更につきましても、広報おびひろや帯広市のホームページを通じまして広く市民の皆様、あるいは関係団体への周知を図ってまいりたいと考えます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) ぜひ、高齢者のニーズに応じたきめ細やかな対応ができるよう、関係部署の体制強化や改正された制度の周知を進め、事業者の意向把握など、十分に準備していただきながら円滑な事業への移行実施に向けて取り組んでいただくよう求めておきます。 次に、マイナンバー制度について再質問をさせていただきます。 マイナンバー制度の導入により、住民のメリットとして社会保障給付費など、各種の申請に必要な添付書類の省略やマイポータルを活用した自己情報の入手など、行政のメリットとして税業務におけるより効率的な名寄せ、突合、より公平で正確な社会保障給付などが上げられております。 そこで、マイナンバー法の対象としている事務のうち、帯広市に該当するものの具体例について伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー法の別表におきましては、社会保障、税、災害対策の分野に関しまして、およそ100項目の対象事務が掲げられております。そのうち、帯広市に関係するものにつきましては40項目程度と考えてございます。具体的には、児童福祉、予防接種、生活保護、国民健康保険、介護保険、公営住宅、地方税に関する事務などを想定しているところであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 具体例についてはわかりました。およそ100項目のうち、帯広市に関するものは40項目程度とのことでございました。 次に、マイナンバー制度はさまざまな仕組みから成っているとお聞きするわけでありますが、その仕組みについて具体的にはどのようになっているのでしょうか、その内容を伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー制度は、大きく3つの仕組みから成っております。 一つには、個人や法人に重複のない番号をつける付番の仕組み、2つ目には、その番号を利用しましてそれぞれの行政機関で管理している同一人物の情報をひもづけをし、ネットワークにより相互に活用する情報連携の仕組み、そして3つ目としまして、自分が自分であることを証明するための本人確認の仕組みから成っております。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 付番の仕組み、それから情報連携の仕組み、そして本人確認の仕組みから構成されているということでございましたけれども、マイナンバー制度導入後の各種手続における本人確認や番号確認方法について実際にはどのように行われていくのでしょうか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー制度の実施に伴い、これまでの住民基本台帳カードにかわりまして希望者に個人番号カード、いわゆるマイナンバーカードが発行されます。マイナンバーカードには本人の住所、氏名や顔写真、個人番号などが表示されてございます。身分証明証としての利用が可能となっております。御本人からマイナンバーの提供を受ける際は、本人確認と番号確認が必要となってまいります。マイナンバーカードを所持している場合はそのカードだけで両方の確認ができますが、所持されていない場合には通知カードによりまして番号を確認し、運転免許証、パスポートなどの顔写真つきの身分証明証により御本人の確認を行うことを原則としております。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 本人確認については、実際にマイナンバー制度を運用していく上で非常に重要なポイントになってまいります。制度実施に向けた職員の研修や対応するマニュアルの準備も必要になりますが、庁内体制の整備や構築を含めて窓口職員がしっかり対応できるよう求めておきたいと思います。 次に、現在、法務省が社会法人番号を発行しているわけでありますが、法人への対応など具体的にはどのように考えられているのでしょうか、伺います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 法人番号についてですが、国税庁長官が指定するものでございます。主に、商業登記法に基づく12桁の会社法人等の番号の前に1桁の検査用数字を加えた番号が公表される予定となってございます。この法人番号につきましては、民間も含め、自由に利用が可能となっております。帯広市での具体的な利用につきましては検討中でありますが、例えば法人市民税におけます名寄せなどに使用することができるものと考えております。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) マイナンバー制度につきましては、インフラでございまして、住民サービスや行政事務手続上の利活用が多岐に想定されますことから、市民、行政双方の利便性の向上を図るため、具体的な研究や検討を進めていくことが求められますが、帯広市では制度の可能性をどのように具現化し、拡充していかれるのか。また、現時点で利便性を確保するために検討しているものがあれば伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバーを利用した行政サービスにつきましては、現在、国などの研究会におきましてさまざまな検討が行われていると認識をしております。帯広市におきましても、マイナンバー制度の導入によりまして、さらなる住民サービスの向上や行政事務の効率化などを図っていく必要がありますけれども、国の検討状況、導入コストなど費用対効果などを踏まえながら、引き続き幅広い視点から検討をしていく必要があると考えているところであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 今後は国の検討結果から新たな活用策について具体策が示されると考えられますが、新制度を有効に活用するために知恵を絞った検討を加えていただくよう求めておきたいと思います。 次に、市民の利便性を拡充、確保するためには、新制度のカードを活用してコンビニエンスストアなどで証明証などが取得できるよう市民サービスを拡充、拡大すべきですが、御所見を伺います。 ○野原一登議長 神田亜紀志市民環境部長。 ◎神田亜紀志市民環境部長 本市におきましては、従前より市内一円にございますコミセン、8カ所ございますが、コミセンとJR帯広駅に戸籍住民課の分室を設けまして、住民票や印鑑登録証明証に加え、戸籍謄本等の交付をしてございます。また、農村部におきましても、大正農業者トレーニングセンターと川西支所にも同じく分室機能を持たせまして、平日に加え土曜日の交付も実施するなど、市民への利便性向上を図ってきたところでございます。このような経緯もございますことから、分室での交付は地域住民に定着している現状にございます。今後、コンビニでの交付を進めるには新たな設備投資も必要となりますことから、マイナンバーカードの普及状況や需要等も考慮しながら総合的に判断をしてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 既に、全国の自治体ではいろいろな試みがなされておりまして、行政と福祉機関の連携でさまざまに効率的な行政システムをつくり上げ、サービスの強化を図り、また生活習慣病予防のためにレセプトの分析を徹底して行い、予防医療に力を注いでいるところもあります。 厚生労働省の研究会では、将来的にマイナンバー制度を活用した医療番号を導入し、患者の受診歴などを医療機関が共有するべきとの中間報告もまとめているところであります。制度の機能を地方自治体での業務医療の拡大に活用すれば、医療、福祉に十分利用できると考えますが、御所見を伺います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 お話にありました自治体の医療、福祉分野におけます情報システムの活用事例といたしましては、ウエブ健康手帳制度ですとか生活習慣病予防のための疫学調査への利用などが国の研究会資料で紹介をされてございます。先進的な事例も参考にいたしながら、帯広市におけます活用の可能性につきまして研究検討をしていく必要があるものと考えております。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) ぜひ、本市でも実用化に向けて研究検討を進めていただきたいと思います。 次に、現在使用している住民基本台帳のシステムは専用回線を使用しておりましてコストが高いとお聞きしますが、新制度では具体的にはどの種類の回線網を使用する計画なのでしょうか。また、コスト面ではどのように考えられているのかを伺いたいと思います。 ○野原一登議長 山崎雅市総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 使用する回線とコスト面の関係でございますが、マイナンバー制度におきましては平成27年10月から地方公共団体情報システム機構が個人番号の付番作業を開始し、市町村に対する住民の個人番号通知につきましては都道府県が整備しております住民基本台帳ネットワークシステムの専用回線を使用することが定められており、この部分につきましては新たな経費は想定をしてございません。 なお、29年7月からは、各地方公共団体におきましてマイナンバー等に関する情報の提供や照会が開始をされます。この情報のやりとりにつきましては、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークである、いわゆるLGWANを使用することになってございます。現在、帯広市では後期高齢者医療保険料の賦課に係る事務などにおきましてLGWANを使用してございまして、この接続に当たりましてはサーバーなどの機器の賃借や運用委託費並びに専用回線の使用料を負担しておりますが、マイナンバー制度導入に伴って情報量が増加し、より速度の速い回線が必要と見込まれており、回線の性能や費用につきましては今後、国などへ情報収集に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) LGWANというその専用回線を使用されるということでございました。 次に、新制度で使用するカードについて、内蔵するチップには容量に多量のあきがあるとのことでございますけれども、あいている部分に他のアプリケーションも入ると考えられますが、年金手帳機能や医療保険機能など、または銀行機能も自治体が条例をつくり、自治体の主権でできるのではないでしょうか。地方自治体の条例で新制度を利用することが可能となる分野は実際にあるのでしょうか、御所見を伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 住民基本台帳カードと同様に、マイナンバーカードにおきましてもICチップの空き部分の利用については条例で定めれば可能とされております。具体的には、印鑑登録カードや図書館の利用者カードとしての利用事例などが国のほうから紹介をされているところであります。 帯広市におきましては、住民サービスの向上などの観点はもとより、マイナンバーカードの普及見込みですとか導入に係るコスト等の費用対効果についても、今後十分検証を行いながらICチップの空き部分の利用について検討を進めていく必要があるものと考えております。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 新制度導入による行政事務の簡素化ですとか行政分野でのコスト削減効果は可能であると考えられているわけでありますが、実際に帯広市では年間どれくらいの事務の簡素化やその率、効果額が図られるものと推計されているのか、伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー制度を導入することに伴いまして、名寄せですとか突合事務などについて一定の効率化が図られるものと考えているところであります。一方で、帯広市では既にオンラインシステムによりまして庁内の情報連携を図ってきてございます。また、マイナンバー制度導入に伴う全体のコストが国の予算におきましてまだ見えない部分もありますことから、具体的な効果額をお示しすることは難しい状況にございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) 新制度導入に当たっては費用対効果の観点から、導入してどの程度の業務改善が図れて市民サービスが向上したのか、またコスト削減効果があるのかなど、ぜひ明らかにしていただきたいというふうに思います。 次に、昨今、セキュリティー問題や個人情報漏れ、成り済まし等の犯罪は日常茶飯事の状態でありまして、昨今の社会状況下で市民が最も心配し、危惧するのはセキュリティーへの対応策です。ICカードを紛失してしまった場合などは全ての情報が全部漏れてしまうことになりますし、韓国やアメリカでは実際に成り済ましが出たという事例も多くあるとお聞きしますが、新制度では具体的な安全策としてどのような対策が講じられているのでしょうか、伺います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 セキュリティー対策についてでありますが、マイナンバー制度におきましては外部からの不正なアクセスや情報の漏えいを防止するために、情報通信ネットワークを利用したマイナンバーに関する情報のやりとりでは情報に符合をつけ、さらに暗号化した上で専用回線を利用して情報の照会や提供が行われるなど、全国統一の安全措置が講じられてございます。さらに、住民の皆さんが交付後受けることのできるマイナンバーカードにつきましてはICチップが内蔵されてございますが、ICチップへの記録については氏名や住所などカードに記載されている事項に限られており、税や年金などのプライバシー性の高い個人情報はセキュリティー面から制度上記録しないこととされてございます。また、先行して制度を導入しておりますアメリカや韓国で発生した本人を偽装するいわゆる成り済ましなどの事例に対応するため、日本のマイナンバー制度におきましては各種申請手続に際しまして本人の写真つき個人番号カードの提示を求めるなど、厳格な本人確認を義務づけする措置が講じられてございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) アメリカがマイナンバー制度を導入し、税に利用した際に600万件もダブって扶養控除を適用していたという事例もお聞きいたします。一定の牽制効果もあるものと思いますけれども、帯広市情報審査会では9月22日にマイナンバー法と個人保護条例について検討されておりますが、どのような内容であったのか伺いたいと思います。 また、今後のマイナンバー制度の対応に関して既存システムの改修、新規システムの整備、マイナンバー制度に関する条例整備、マイナンバー制度導入を契機とした業務や組織の見直しなど、幅広く全庁的な対応が求められますが、総合的に推進する多面的な全体計画の策定の考えと制度実施に向けたスケジュール等について伺いたいと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー法では、個人情報の目的外利用ができる場合や個人情報開示請求書の代理人の範囲などにつきまして、一般的な個人情報保護制度とは異なる取り扱いをすることが規定されております。自治体においては、個人情報保護条例の改正等によりましてマイナンバー法と同様の特例規定を設けることが求められてございます。特例規定の新設に当たりましては、個人情報保護制度に係る調査審議を所掌いたします帯広市情報審査会の御意見を聞くことを予定しております。現在までに、マイナンバー法の規定などにつきまして勉強会という形で情報審査会の委員に情報提供をしてきているところであります。 今後は、全国で一斉に実施されるものでありますけれども、来年10月から番号の付番通知、平成28年1月から番号の利用開始、それから平成29年7月からをめどに国や地方公共団体等との情報連携の開始が予定されております。具体的な作業といたしましては、これまでは利用事務等の確認、検討、システム改修に向けた検討、全体スケジュールの検討などを行ってきてございます。今年度中に住民基本台帳システムなどの改修、特定個人情報保護評価を実施してまいります。平成27年度は社会保障関係事務等のシステム改修、連携のテストなどを行いますほか、事務フロー、マニュアル等の点検見直し、関係条例、規則等の改正に係る検討を継続的に行うなど、国のスケジュールを踏まえまして庁内連携を図りながら総合的、計画的に漏れのないよう対応を進めていく考えであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) ぜひ、計画的に進めていただきたいというふうに思います。 新制度の市民周知については実際にどのように行ってきたのでしょうか。現状では、市民に新制度の内容は一切知らされておりません。行政としては、新制度の導入に向けて着々と予算化し、進めてきているわけでありますが、国では内閣官房や総務省のホームページで具体的に公表し、周知が実施されております。帯広市でも国のホームページにリンクするなど、早期に新制度を市民に広く周知するための方策を実施すべきではないでしょうか。今後の市民周知について伺います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 マイナンバー制度の周知のため、11月から本庁の関係部署や支所、コミュニティセンターなどでポスターを掲示しているところであります。また、現在、帯広市のホームページにおきましても、新たにお知らせのページを設け、周知を行っているところでございます。今後も随時情報を発信していくほか、市民の皆さんに番号が通知されます来年の秋ごろには、広報おびひろなどを通じまして改めてマイナンバー制度について広く周知を図っていく予定であります。 以上であります。 ○野原一登議長 大竹口議員。 ◆16番(大竹口武光議員) マイナンバー制度導入の対応については、新制度における市民の不安を解消し、その内容の一つひとつに丁寧に答え、説明責任を果たしていただきたいと思います。ただいま市民周知もされ始めたということでございましたけれども、具体策をしっかり講じていただき、新制度のメリットが市民生活に十分生かされるよう知恵を絞り、効率的、効果的にしっかりとした対応をしていただくよう求めておきます。 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○野原一登議長 以上で大竹口武光議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。 再開を午後3時15分といたします。         午後2時50分休憩         ────────         午後3時15分再開 ○野原一登議長 再開いたします。 次に、大塚徹議員から発言の通告があります。 9番大塚徹議員、登壇願います。   〔9番大塚徹議員・登壇・拍手〕 ◆9番(大塚徹議員) それでは、通告に従い、順次質問させていただきます。 まず第1番目は、行政不服について現状と新関連三法対策についてお伺いをいたします。 住民は行政処分、国や自治体からの一方的な行為、措置命令不許可などに不服がある場合にはどうすればよいのでしょうか。行政処分をした市町村長など、以下処分庁と言います、に苦情を申し立てるという方法もありますが、法的手段としては大きく2つがあります。 一つは、行政事件訴訟法に基づいて裁判所に訴訟を提起する方法で、もう一つは行政不服審査法に基づいて処分庁などに対して不服を申し立てる方法です。どちらも主に行政処分の取り消し、なかったことにすることを求めるものですが、前者が裁判所に出廷する手間と訴訟費用がかかるのに対し、後者は不服申し立て書を提出するだけで済み、手数料も不要です。実際、平成23年度に提起された行政事件訴訟が約4,000件である一方で、国、地方公共団体を合わせた不服申し立ては約4万8,000件となっていて、行政不服審査法がはるかに活用されております。ただし、実際に違法な行政処分が取り消され、申立人が救済される割合は裁判よりも少ないと考えられます。そして、ことしこの行政不服審査法が全面改正され、これまでの手続が大幅に変わることになりました。市民生活においても、さまざまな行政処分が行われていることから、市民にとっても重要な関心事であります。 まず、今回の行政不服審査制度見直しの趣旨、概要についてお伺いをいたします。 次に、多様化する地域産業振興についてお伺いをいたします。 市長もことし4月、2期目に入り、目玉であるフードバレー政策も5年目を迎えております。その政策推進のかなめである国際戦略総合特区も、今月12月22日で認可されてから丸3年を迎えます。この5年間には政権交代もあり、国の政策、特区の考え方も市長初当選時とは違うのではないかと市長も感じていられるのではないかと思います。2期目当選時、ことしの4月にはフードバレーとかちを地域づくり政策としてさらに加速、特化させてまいりたいとの強い決意がございました。フードバレー推進に当たり、このような外的要因が今後の政策推進に影響を与えようとしているのか、市長のお考えをまずお伺いいたします。 最後に、厳寒期防災についてお伺いをいたします。 東日本大震災を踏まえ、2012年6月に災害対策基本法の一部改正が行われ、市の地域防災計画も改正されました。しかし、最近の長野北部地震、急な暴風雨の異常気象、いつ起きるかわからない十勝沖地震、これから厳寒期を迎えるに当たり、帯広・十勝地方の冬期防災対策が一番気にかかるところであります。また、13日からは、この1週間、低温警戒情報ということであります。14日の投票日は大雪の可能性があるということなんですが、投票率も気になるところであります。 まず、市の厳寒期の防災対策の考えをお伺いいたしまして、私の1問目の質問とさせていただきます。 ○野原一登議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 大塚議員の御質問中、フードバレーとかちについてお答えいたします。 私は十勝・帯広に暮らす人々が豊かさを実感できるまちづくりの実現を目指し、食と農林漁業を柱とした地域づくりの戦略としてフードバレーとかちの推進に取り組んできております。この間、取組みをより効果的に推進するため、定住自立圏や国際戦略総合特区、バイオマス産業都市などさまざまな制度等を積極的に活用し、農業生産体制の強化や食のブランド力向上、国内外への販路拡大などを図ってきたところであります。また、地域の産業界の未来を切り開く人材の育成を目的とした十勝人チャレンジ支援事業やフードバレーとかち人材育成事業の参加者の中から起業するケースが生まれてくるなど、徐々に成果が出ているところであります。 一方、国におきましては、国家戦略特区、そして地方創生など、各地域の特色を生かす新たな政策が展開されている中で、先日、横浜市において地域課題の解決策を探るフォーラムが開催され、地方創生の先進的な取組みとしてフードバレーとかちの事例を紹介する機会もいただいたところであります。 このように、全国から十勝帯広に大きな関心が寄せられる機会が与えられますことは、私たちが進めてきたまちづくりの取組みが地方創生の方向性と期を同じくするものであると受けとめているところであります。今後も十勝帯広の特性や優位性を最大限に生かし、また地方創生に関する諸施策を積極的に活用しながら、地域が主体的にまちづくりを進め、地域の活性化に取り組んでまいる考えであります。 私からは以上であります。 ○野原一登議長 山崎雅市総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 御質問中、厳寒期の防災対策についてお答えをいたします。 平成25年度の災害対策基本法の改正では、避難者対策として避難所の整備や被災者の生活環境の確保を住民の責務として、生活必需品の備蓄等を新たに明記し、被害を最小限に抑える減災の視点を重視した取組みを進めていることとしております。 災害において被害を最小限に抑えるためには、市民、地域、行政の調和した取組みが必要と考えてございます。特に、厳寒期の災害は電気等のライフラインがとまることも想定され、被災者の避難生活は厳しいことが想定されます。このため、各家庭でも必要な物資の備蓄や地域における冬期を想定した防災の取組み、さらには避難所における暖房等の確保などの対策を進める必要があるものと考えてございます。 以上であります。 ○野原一登議長 草森紳治行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 御質問中、行政不服審査制度についてお答えをいたします。 行政不服審査法は、国民が許可の取り消しや市税の賦課などの行政処分の見直しを求めて担当の行政機関に不服を申し立てる手続を定めたものでございます。裁判手続よりも簡易迅速となっており、平成23年度の数値になりますが、国や自治体に対し、お話にありましたとおり約4万8,000件の不服申し立てが行われてございます。行政不服審査法につきましては、これまで50年以上の間、大きな改正がなされず今日に至っていることから、国におきまして公正性の向上、使いやすさの向上の観点から時代に即した見直しを行い、本年6月に関連する法律とともに制定されたものであり、施行は平成28年6月までを予定しております。 主な見直しの内容についてでありますが、審理員による独立した審理手続と第三者機関へ意見を求めるための諮問手続を導入すること、また不服申し立ての手続を審査請求手続に一元化すること、さらに不服申し立てをすることができる期間を60日から3カ月に延長することなどとなってございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) それでは、ありがとうございました。 それではまず、市長に御答弁をいただきましたので、フードバレーとかち政策についてお伺いをしたいなと思います。 フードバレーの推進において、北海道フードコンプレックス国際戦略総合特区を活用してきたとの御答弁もございました。特区が今月22日、5年期間のうちの丸3年目、折り返しを迎えるに当たり、税制金融財政支援の3年間の進捗度、実績についてお伺いをしたいなと思います。特に、農協の支援が多いということなんですが、農協以外についての内訳もお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤充産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 北海道フードコンプレックス国際戦略総合特区は、十勝における振興目的が食と農業でありますことから、対象となります事業のほとんどが農業関連でございます。平成24年度から平成26年度の3年間の実績を申し上げますと、税制優遇につきましては12件中10件が十勝圏域でございまして、うち4件が農協系以外の事業でございます。内訳を申しますと、3件はバイオガスプラント、1件は発酵飼料製造装置の整備となってございます。金融支援につきましては、22件中11件が十勝圏域でございます。うち3件が農業系以外の事業でございまして、内訳は冷凍・冷蔵施設倉庫の整備、機械導入、小麦乾燥貯蔵施設の整備が各1件となってございます。財政支援につきましては、30件中11件が十勝圏域でございまして、うち6件が農協系以外の事業でございます。内訳は、2件がバイオディーゼル燃料関連施設整備、機能性素材の開発、ICTによります農作物管理、屠畜場の整備、農業情報サービス実証事業がそれぞれ1件となってございます。 なお、農協系以外におきまして帯広市内の事業ということになりますと、採択されておりますのは金融支援における1件と財政支援についての6件となってございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) ありがとうございました。 高橋商工会議所会頭も、商工会議所の中でなるべく民間の企業がこういう恩恵を受けたらいいという運動もなさっていたということですけども、帯広市内の事業で採択されているのは金融支援における1件と財政支援についての6件ということでございました。 また、国際戦略総合特区では、報道等でも取り上げられていますように、農作業に使用する貨物自動車の車検期間の延長など規制制度についての特例措置もあると思いますが、これについて十勝からの提案と成果についてもお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 規制制度の特例措置につきましては、提案件数59件のうち、十勝からの提案が37件となってございまして、このうち要望に沿った形で実現している案件が18件となってございます。この中には、議員の御質問にもありましたとおり、農作業に使用する貨物自動車の車検期間の延長が今年度4月から実証事業を開始しておりますほか、農作物貯蔵施設の消防用設備に係る設置基準等が対応可能となったことが進捗した部分でございます。 以上です。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) ありがとうございました。 また、同じく国際戦略総合特区に位置づけられている昨年9月、私も定例議会で質問をいたしましたフードバレー戦略プラン6、製品・研究開発機能等を持つ、(仮称)食・農・医連携研究センターの整備は1年たってどの程度進んでいるのか、その点についてもお伺いをしたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 帯広市におきましては、地域の試験研究機関、大学、医療機関、生産者、食品加工事業者等、食の健康分野の連携によります地域におけるコーディネーター機能の向上についてその必要性を認識してございまして、食・農・医連携研究センターについての研究をしてございます。 超高齢化社会を迎えた社会状況におきましては、食生活を通じた健康の保持が注目されておりまして、国では健康機能性を持つ農林水産物や食品加工の開発研究を推進しているところでございます。地元におきましても、国の制度を活用しながら機能性素材を活用した商品開発に取り組む動きもありますことから、今後も情報収集、課題整理など、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。 以上です。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) この食・農・医連携研究センター、フードバレーの結構推進計画の目玉だったと思うんですけども、5年目、3年目になるわけですよね。あと2年間で今後も情報収集、課題抽出によって引き続き検討を進めてまいりたいという御答弁なんですけども一向に進んでないなという気がいたします。それも含めて国家戦略総合特区の3年間の主な進捗状況を今お伺いしたわけでありますけども、現段階3年たったまでの総合特区のフードコンプレックスの総括と今後あと2年の課題と展望についてお伺いをしたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 北海道フードコンプレックス国際戦略総合特区につきましては、有識者等専門家によります全体的評価におきまして、内容及び今後の方向性について十分にすぐれているとの評価をいただいてございます。その一エリアであります十勝におきましても、先ほど申し上げました主な事業ごとの進捗状況のとおり一定の進化が見られますことや特区制度を活用した施設整備額が約80億円弱に上るなど、地域の産業振興に対して着実に寄与しているものと考えてございます。ただし、未協議の案件もございますことから、今後も内容を精査しながら有効性を諮り、国との協議を進める必要性があると考えてございます。いずれにいたしましても、特区制度によります優遇措置を有効に活用しながら地域の生産体制を強化し、食の安全性と付加価値向上に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 先ほどの市長答弁にもございましたように、政権が交代して国家戦略特区、地方創生というものも出てまいりましたので、それも踏まえてフードバレーを推進していただきたいなと思うんですが。 それで、フードバレーとかちになりますけれども、どれだけ浸透しているのかと、具体的、代表的な事例を挙げてお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 産業界への浸透度の一つの指標といたしまして、フードバレーとかち応援企業の加盟数を上げさせていただきたいと存じます。フードバレーとかち推進協議会におきましては、フードバレーとかちの活動に賛同する農林漁業者、企業、団体等に呼びかけ、応援企業として御加盟いただいてございます。加盟企業数につきましては年度ごとに増加しておりまして、初年度の平成23年度は66社、24年度には倍増し、133社、25年度には43社ふえて176社、そして今年度は11月末現在、先月末現在で110社ふえまして286社というふうに順調に増加してございます。一方、市民の皆様に対しましてはフードバレーとかちに関します説明会、講演を行いまして浸透を図ってまいりました。平成22年度から25年度にかけまして、市長みずからが講演した65回を含め、全体で226回実施いたしまして、フードバレーとかちの意味やこれを推進する意義、これまでの成果、そしてこれからの方向性を御説明申し上げ、御理解を得てきたところでございます。 十勝で暮らす人たちが十勝の豊かな食を楽しむという地産地消の促進や域外の方たちがこの十勝に魅力を感じて訪れる交流人口の一層の増加、さらにはこの地でのビジネスチャンスを感じ、投資していただくなど、今後もさまざまな情報発信を行い、より多くの方々へ浸透度を高めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) この代表的なものを上げていただいた中で浸透してきているというお話でございました。 このフードバレーとかち応援企業ですが、ことし11月現在で286社と大幅に増加しておりますけれども、現在の加盟企業の地域別内訳、またその大幅増加要因についてもちょっと詳しく伺いたいなと思います。 ○野原一登議長 相澤産業連携室長。 ◎相澤充産業連携室長 フードバレーとかちの応援企業の地域別内訳でございますが、全体で先ほど申し上げた286社中、道外が9件、十勝管内を除きます道内が10件、市内を除きます十勝管内が60件、帯広市内が207件という構成になってございます。 また、今年度、110件ほど増加してございますが、主に十勝管内の飲食店の加盟による増加によるものでございます。これは管内町村役場の皆さん、それから商店街等各種団体の方々の協力を得ながら飲食店に対して重点的に加盟推進の呼びかけを行ってきたことが大きな要因となっているものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) これだけふえてきたということで、市長選のときの報道によりますと勝毎ですかね、52%ぐらいの市民がフードバレーを認知してきているということですから、それからまた半年ぐらいたっているわけですけども、もう少しこういう状況では認知してきているのかなというふうにも感じます。 それで、2期目のフードバレーとかちは地域産業施策から全般的な施策へ進化をしていくとのことですが、そもそも論になってしまいますけれども、それ以前に帯広市で実施をしてきた産業振興施策との関係が5年たっても市民にわかりづらいというお話、私よく聞いております。フードバレー以降5年たっているわけですけども、どのような考えで産業振興施策を進めているのか、お伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 中尾啓伸商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 帯広市の地域産業の振興施策につきましては、帯広市中小企業振興基本条例、帯広市産業振興ビジョンに基づきまして、これまでも中小企業者の皆様との共同により進めてきており、具体的な産業振興施策を進める上におきまして基本的な姿勢に変化が生じてきているものではございません。その上で、フードバレーとかちの旗印のもと、新たに十勝管内の自治体間に築かれました広域連携の枠組みや地域の特色を改めて見詰め直した情報発信、地域セールスなどの手法を加え、取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) そもそも基本的な姿勢が変わってきているものではないということでございますけども、それでは産業振興ビジョンとフードバレーとかちの関係がどのような状況にあるのか伺いたいなと思います。 ○野原一登議長 中尾商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 フードバレーとかちは、食と農林漁業を中心に十勝全域でスクラムを組んで取り組む地域の成長戦略であり、一方、産業振興ビジョンは、帯広市の商工業や観光に携わる中小企業者や産業全般にわたりまして振興を図るための指針であり、食の分野などで重なり合うものでございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 食の分野で重なり合うということでありますが、それでは実際に産業振興ビジョンを見てフードバレーの記述が盛り込まれているのか、この点につきお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 中尾商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 帯広市産業振興ビジョンにつきましては平成21年2月に策定し、現在5年が経過しましたことから一部見直し作業を進めてございます。今回のビジョンの一部見直しに当たりましては、フードバレーとかちの考え方などにつきまして記載を加えていく方向で検討しているところでございます。 以上でございます。
    ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) フードバレーとかちの考え方について記載を加えていく方向で検討なさっているということでございますから、その点はわかりました。 それで、市民はフードバレーとかちというものは企業誘致であると受けとめる人が大変多いんではないかなと思います。そのような中で、本州からの食関連企業の立地はどのような状況にあるのか。また、その他業種を含めた本市の企業立地動向はどのような状況にあるのかについてもあわせて伺いたいなと思います。 ○野原一登議長 中尾商工観光部長。 ◎中尾啓伸商工観光部長 初めに、食関連企業の立地状況でございますが、本年1月、埼玉県に本社を構える食肉加工卸売業が十勝の安全・安心な牛肉を原料といたしましてユッケを製造し、首都圏を中心に販売する加工場の立地が決まり、この秋に稼働を見たところでございます。そのほか、本州の食関連企業から本市における事業展開に向けた照会に積極的に対応するなど実現に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。 次に、その他の業種も含めました企業立地動向でございます。西二十条北工業団地における分譲価格見直しの影響もあるかと思いますけれども、今年度は既に建設業や農業関連資材など企業4件の立地が決定し、販売面積は1万2,400平米、販売額は1億2,375万円となりました。旧産業開発公社時代を含めまして、賃貸を除きます販売面積では過去最高、販売額では平成16年度の1億9,600万円に次いで過去2番目となっており、このほか数件が商談中という状況にございます。 以上でございます。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) ありがとうございました。 3年目の総合特区を迎えて2期目のフードバレーについて、年末でございましたので総括をお伺いをいたしました。進んできているなという印象は受けておりますし、また企業立地も今回は販売面で過去2番目になっているということと販売面積では過去最高という結果も出ているということで、進んでいるなという感じもいたします。 以上、伺いましたけども、国内経済の低迷により大規模な設備投資に慎重な姿勢が広がっていること、あるいは経済のグローバル化に伴い、国内での新たな工業立地は極めて厳しい環境にあります。そうした中で、従来型の企業誘致だけに頼るのではなく、地域の中から産業を創出したり地域が持つ利点を生かして産業政策を成功させなければいけません。P・F・ドラッカー氏も著書「マネジメント」の中で、成果を上げるためにはみずからの強みに集中し、最大限生かすことが重要であると述べています。私はこの現形は、市長もきっと思い出すと思うんですけども、あの池田町の十勝ワインということだなと、ちょっとは違うのかもしれませんけれども、それでないかなと思うんですね。ことしお亡くなりになられた丸谷町長がやられたことが全国に広がった。これは私、東京にいたときに帯広出身ですと言うと、あの池田ワイン城の隣なんて言われたことが何回かございました。そのぐらい、創始者として今から数十年前に丸谷池田町長がやられたことが、今また違いはあるんでしょうけども何か地域おこしが再浮上しているんだなというふうに今感じております。米沢市長のやられているフードバレーも、この大先輩の施策に少なからず影響されているのかもしれないなと思っております。 今までも同僚議員が質問していますけれども、市長も答弁に触れられていますが、政府は人口減少を克服することを目的に地方創生本部を立ち上げ、各省の地域活性化事業を統合し、積極的に実施を進め、また少子化対策の総合計画作成のもと、地域の実情に応じた就労や結婚の支援、高齢者から若年世代の資産移転を促す税財政制度の創設などを進めております。報道にありましたけども、7月28日の米沢市長の報告会で市長が申し述べた、国より少し先を考える、十勝・帯広の資源を見直し、国の資源を使い、十勝を日本一にしていかないといけないなと、これはまさにそういうことだと思います。最初の市長答弁で、国の地方創生諸施策を積極的に活用したいという御答弁もございました。大いに新施策を活用して帯広・十勝の発展に御尽力いただきたいとお願いをいたしまして、この質問を終えさせていただきます。 次に、行政不服審判制度でございますけども、全国では23年度では4万8,000件の不服申し立てがされたとのことですが、帯広市にかかわる不服申し立て件数についてはどのくらいあるのかお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 帯広市に対する不服申し立ての件数についてですが、情報公開関係などで年間二、三件程度となっております。そのほか帯広市が行いました行政処分でありましても、生活保護法などの個別法に基づきまして北海道に対して不服申し立てがなされる例がございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 不服申し立て件数は二、三件と少ないようですが、今回の制度見直しは市民にとってどのようなメリットがあると市は考えているのか、お伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 一つには、裁決の手続におきまして処分にかかわらない職員である審理員が審理を行うことや有識者により構成されます第三者機関が審査の妥当性を点検することによりまして公正性がより向上することが上げられると考えております。また、不服申し立てをすることができる期間が延長されます。このことによりまして不服申し立てがしやすくなること、さらに現行の異議申し立て手続を廃止し、審査請求手続に一元化することによりまして処分をした行政機関から説明を受ける機会が設けられる、そういったことなど、使いやすさの向上がメリットとして考えられているところであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 今回の制度見直しに対して帯広市はどのように対応していくのかをお伺いいたします。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 新たな行政不服審査の制度は平成28年6月までに施行されることから、それまでに有識者により構成されます第三者機関の設置条例などの制定を初め、審理員の指名の考え方の整理ですとか新たな制度に対応するための職員研修などが必要になってくるものと考えております。これらの対応に向けましては、引き続き国からの情報収集に努めるほか、来年度に予定されております国からの施行通知の内容も踏まえながら適切に対応してまいる考えであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 今お話しのありました審理員は、公正性を確保するため、不服申し立てされた処分にかかわってない職員の中から指名されることとされております。この新しい制度は、よくも悪くも審理員がキーパーソンになりそうです。条文を読む限り資格は必要なさそうですが、それなりのポスト、課長級、課長補佐級あたりが想定されているようであります。ただ、それなりのポストだからといって、法務関係や不服申し立て制度についての知識がない場合は審理員意見書がつくれるのかどうかちょっと難しいのではないかと思います。特に、小規模自治体や一部事務組合などはかなり難しい業務になりそうであります。市はその点も踏まえ、審理員はどなたがなると想定しているのか、お伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 審理員は、不服申し立てをされた処分にかかわっていない職員が不服申立人と処分担当課の双方の言い分を公平に聞きまして、必要な審理を尽くして審理員意見書に反映するなど、事実の認定ですとか法令の解釈を適正に行える人選が求められてまいります。そのため、お話にもございましたが、課長級の職員など一定の職責を担う職員を指名をしていく必要があると考えております。具体的な職員の指名につきましては、行政不服審査法の施行に向けて引き続き情報収集を行いながら検討してまいる考えであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 課長級という御答弁でありましたけども、今回の制度改正では審理員は処分庁である市長、実際には担当課と審査請求人との対審構造におけるジャッジメンみたいな位置づけになるのではないかと思います。つまり、処分庁から弁明書をもらって、審査請求人からそれに対する反論書をもらって、いろいろ調査もして審理員意見書を書くことになると思われます。なので、争点がよほどの専門的な内容でない限り、きちんとした法的素養と実務経験のある職員であれば対応可能だと思います。ただ、確かにそのような職を一定数小規模自治体で確保するのは難しいかもしれません。とはいえ、小規模自治体ではそれほど審査請求も先ほどのようにないのではという気がしないでもありませんが。有識者により構成される第三者機関、すなわち行政不服審査会については、これまでの不服申し立ての件数を踏まえると常設にせず、臨時設置することも考えられます。また、今、帯広市で既設されています情報保護審査会、個人情報保護会の活用も可能と言われておりますが、小規模自治体なら費用との関係で個人情報保護審査会などに兼ねさせるのもいいのではないかと思いますけども、帯広市の考えについてお伺いをいたします。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 行政不服審査会の設置形態につきましては、情報収集をしながら内部検討を現在行っているところであります。委員の人数、委員構成などの検討とあわせまして公正な判断ができますよう、そういった体制づくりを進めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 行政不服審査法は行政処分を受けた後に不服を申し立てる手続を定めたものでありますけども、関連三法の中に行政処分を受ける前の手続を定めた行政手続法の一部改正があります。その概要についてお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 国におけます行政不服審査制度の見直しとあわせまして、行政処分を行う前の意見聴取手続などを定めました行政手続法の一部改正が行われております。この法改正では大きく2点ございますが、一つには法令に違反する行為の是正を求める行政指導を受けた者が、その行政指導が法律の要件に適合しないと考えたときに中止等を求めることができる行政指導の中止等の求めでございます。もう一点が、処分等の求めというものでありますけれども、法令に違反する事実がある場合に、その是正のためにされるべき処分、または行政指導することを求めることができるというものであり、こうした手続が新たに設けられてございます。 なお、この改正は行政不服審査法に先駆けて来年4月からの施行を予定してございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) それでは、帯広市での行政手続制度の対象となる処分の具体例、項目数についてお伺いをいたしたいなと思います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 行政手続制度の対象となる処分についてですが、各種の申請に対する許可、決定などの申請に対する処分を初め、許可の取り消しや事業停止などの不利益処分とされております。 現在、帯広市が所管しております処分の項目数につきましては、申請に対する処分でおおむね700項目程度、不利益処分についてはおおむね600項目程度と捉えているところであります。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) かなりの種類の処分があることや来年4月1日からの施行ということで余り時間がない状況ですが、行政手続法の一部改正に対して帯広市としてどのように対応をしていくのか、伺います。 ○野原一登議長 草森行政推進室長。 ◎草森紳治行政推進室長 自治体が行います行政処分のうち、法律や政省令に基づく行政処分につきましては行政手続法が直接適用となります。けれども、条例や規則に基づく行政処分や自治体が行う行政指導につきましては行政手続法は適用されません。したがいまして、各自治体で行政手続法の趣旨にのっとりまして必要な措置をとることとされておりますことから、各自治体におきましては行政手続条例を制定し、対応しているところであります。今回、行政手続法が改正されましたことから、帯広市の行政手続条例を改正し、処分、行政指導全般の手続を統一する必要があるものと認識をしているところであります。条例改正に当たりましては、今後、国から出される施行通知の内容を踏まえながら、引き続き情報収集を初めパブリックコメントなど条例改正に向けた必要な手続を進めるほか、帯広市のホームページなどを通じまして市民周知を図ってまいりたいと考えております。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 以上、改正について伺いましたけども、今回の行政不服審査法の改正では、簡易迅速な手続による国民の権利、利益の救済という目的のうち、簡易迅速性を弱め、公正性を優先した感じであります。異議申し立てと審査請求を合わせて新しい審査請求にしたというのは、異議申し立てや審査請求が出された後の手続、弁明書の有無などをそろえたというだけで、どこに審査請求をするのかといった点には基本的に変更がなくこれまでどおりのようであります。しかし、法が改正された以上、改正の概要には使いやすさの向上、公平性の向上、公正性の向上、国民の救済手段の充実、拡充などと書いてあります。 以上、広く行政庁に対する不服申し立てを実現するために、この法改正を機に市はこれまで以上に市民救済のため努力していただくことをお願いして、この質問は終わらせていただきます。 最後に、厳寒期の防災でございますけども、私は前から冬に特化した防災について訴えてまいりました。冬期防災訓練などを新たに始められましたが、4年前に、冬に限定したメニューとしてこれ以外どんなものが考えられてきたのか、いるのかをお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 冬期防災訓練につきましては、平成22年度から市民の皆さんや職員、防災関係機関の参加のもと、実施をしております。避難訓練や救出訓練などを厳寒期に行うことにより参加者の意識啓発や対処方法を学んでございます。そのほか、避難所運営を考えるための防災教材でございます避難所運営ゲーム、いわゆるHUGというものを冬期に災害が発生したとの設定で職員の出前講座により町内会等で実施しておりますほか、冬の防災対策として暴風雪などによる被害防止に関する周知を町内会へ班の回覧などにより行っているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 冬期防災訓練の過去4回の参加人数と宿泊体験人数と、冬期防災訓練はどのようなことに気づき冬期防災対策にどう生かされてきたのか。また、26年度の予定と新しい取組みについても伺いたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 これまで冬期防災訓練に参加した人数につきましては、平成22年度119人、平成23年度230人、平成24年度206人、平成25年度183人となってございます。このうち、宿泊体験者数は平成22年度37人、23年度71人、24年度60人、25年度49人となってございます。冬期防災訓練を通しまして、雪や寒さによりお年寄りや障害のある方の避難方法、負傷者救出の難しさ、避難所生活を行う上での寒さ対策などが課題と考えてございます。このため、市では避難所の寒さ対策として防災器具の追加購入、断熱効果のあるアルミマットの計画的な購入を進めてございます。また、冬期防災訓練では避難所内の室温等の測定の結果、非常用暖房機器の使用による二酸化炭素濃度の上昇により室内環境が悪化したため、今後、換気などの検討が必要と考えてございます。 今年度の冬期防災訓練につきましては1月末に予定してございまして、参加者みずからが厳寒期の防災対策について考えていただけるような内容を取り入れるほか、避難施設の換気対策など、より充実した訓練を実施してまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) ありがとうございました。 避難所は小・中学校等の体育館となっておりますけども、厳寒期では氷点下となります。災害時では電気がとまり、学校の暖房施設が使用できないことが予想されますけども、市の対策、今後の取組みについてお伺いをいたしたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 帯広市では、避難所の寒さ対策といたしまして備蓄品の整備を進めているほか、災害時には企業との防災協定による暖房機器等の優先供給を受けることになってございます。なお、現在の暖房機器の備蓄等では必ずしも寒さ対策が十分ではないことから、災害時に非常用発電機が避難所施設の暖房機器に接続し、そして使用できるか、避難所ごとにシミュレーションを行っているところであり、今後も継続して調査し、避難所の寒さ対策を進めてまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) こういう対策になるとストーブをふやせとか、それから暖房器具を大体ふやしてくださいという話になってくると思うんですけども、これはよく福祉避難所というので質問されていますけども、厳寒期の避難所では特に高齢者、障害のある方や子供など災害弱者、避難生活が困難であると考えられますけども、その対策についてもお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 高齢者や障害のある方などの災害時要援護者のうち、一般避難所で生活することが困難な方につきましては福祉避難所へ移送することを計画してございます。これまで関係団体と福祉避難所の使用に関する防災協定を締結し、現在26の福祉避難所を確保してございます。なお、寒さ対策や福祉避難所の使用に関する詳細事項につきましては、今後も関係団体と協議をしてまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) ことしもインフルエンザが大変はやってまいりました。私の行きつけの病院も、初めて私座れないぐらい患者さんがいっぱいでございましたけども、避難所の感染症対策はその後どうなっていますでしょうか。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 東日本大震災時の避難所におきましてもインフルエンザが発生し、避難所では発症者の対応や予防対策がとられたと聞いてございます。感染症対策は重要であると認識をしてございます。本市におきましては、保健師による健康相談を初め、発症者の別室への隔離やマスクの着用及び手や指の消毒の励行などにより感染拡大を防ぐ対策をとってまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 以上、厳寒期に限って一般的な質問をしてまいりました。そういうことで、特に感染症対策については夏と全然変わってないなという気がするんですが、もう少し厳寒期の対策というものを考えたほうがいいのかなと思います。 私、今回はちょっと提案型の質問をしようと思って今一般論をお聞きしたんですけども、市長も東京に住んでいらっしゃってお子さんが東京だったと思うんですけども、防災頭巾、私は災害弱者の方にはぜひ装備してほしいと思うんですね。道内において余り普及していないように思われますけども、道外、特に東京では小学生全員が常備しております。調べてみますと、特に静岡、中部、関東では利用率が高いのですが、やはり北海道や西日本の一部では利用していないみたいであります。これは、一説によりますと防災意識の違いではないかと言われております。私は厳寒期の防災対策において、この防災頭巾というものが、特に厳寒期には防寒にもなり、そのまま避難所等でかぶって寝てもクッション、枕がわりになり、また氏名、住所、連絡先、血液型を添付することにより身元照会も大変楽になります。北海道はどこも装備していないからという役所的な横並び論理ではなく、有用と判断するならば帯広市は率先して防災頭巾を活用していくべきと思いますがいかがでしょうか。私は市が全部予算をつけて装備しろという話ではなくて、共助、自助として、学校の家庭学習とか、また高齢者の方の文化活動、町内会活動の一環として、余った座布団、丹前などで防災頭巾をつくっていただくなどして厳寒期の避難所対策として常備普及啓発すべきという意見でございますが、その考え方についての市の考えを伺います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 お話のありました防災頭巾につきましては、古くから災害時に火災や避難時に頭を守るため家庭などで準備されてきたもので、地震時や寒さ対策としても有効と考えてございます。町内会や関係団体等の出前講座や防災に関する展示会などを活用いたしまして、市民の皆様に普及啓発を図ってまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) これは市長はおわかりだと思うんですけども、夏でもすごく暑いんですよね。今、私子供のを持ってますけど、これは現物を持ってお見せすればいいんですけども、北海道の方で薄いやつでこうやっても頭を保護しませんので、ここまでやりますから、赤穂浪士の討ち入りみたいな、ここを隠して本当に温かいんですよね。これはもうすぐにでもできることだと思いますので、普及啓発をぜひともお願いしたいなと思います。 それで、厳寒期の防災というのが今すごくいろいろな点でいろんなところで研究が行われております。10月30日には北大で開かれた防災・減災リレーシンポジウム、厳寒期の防災を考えるというのもございます。市は参加しているのか。参加しているとすればどのように対策に生かされてきているのか、お伺いをいたしたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 お話にありましたシンポジウムには参加をしてございませんが、過日、道東6市の防災担当者の会議では、昨年の暴風雪による各市での被害状況や今後の対応など幅広く意見交換をさせていただき、本市の厳寒期の防災対策上、大変参考となったところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 「寒冷地の冬期被災を想定した実証的災害対策への取り組み」というレポートがございます。それには、東日本大震災以降、津波対策などは意欲的に進められている。しかしながら、北海道などの極寒寒冷地域は、冬期の停電のみで命を落とす危険性があるにもかかわらず、寒冷環境への防災対策が手薄であり市民の関心も高くない、このことであります。このまとめの中で、自治体で想定もしくは備蓄している物品をもとにして、冬期に被災した際に起こり得る事象を検討した結果、ほぼ全ての自治体は本実証の1段階にとどまり、厳寒期に生じた災害に耐え得ることは難しいということでございます。さらに、ジェットストーブ、ペレットストーブは安価でもって誰にも入手可能な機材であると。自治体に依存せず、自助、共助の観点で有用な手法と考えられるとも書いてあります。さらに、インディアンの知恵から生まれているティピー、ティピーというのはインディアンのよく西部劇に出てくるこんなテントですよね。これが大変冬期の屋外においても快適な空間をつくり出し、寒冷地域における防災用具としての有用性が期待されるそうであります。特に、厳寒期の体育館とかそういうところで、やっぱり皆さん、家族なら家族という閉鎖空間がないとなかなか寝ることができないということだと思うんですけども、このティピーというのも含めて、以上のレポートを参考にすると屋内でも閉鎖空間の確保、避難所がいっぱいの場合、避難所に来れない災害弱者などの応急措置のためのティピー、またテントの活用も大変重要であると思うんですけども、その点についての考え方をお伺いしたいなと思います。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 避難所では多くの避難者が体育館で避難生活を送ることになりますが、着がえや授乳などプライベート空間の確保が必要となります。このため、体育館に段ボール等のパーティションによるプライベート空間やテント、体育館以外の部屋などを確保してまいりたいと考えてございます。また、避難者で避難所がいっぱいになる場合につきましては、代替え避難所となりますコミュニティセンターや福祉センターを使用するほか、グラウンドなどでのテントの活用につきましても研究してまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 大塚議員。 ◆9番(大塚徹議員) 以上、厳寒期の防災についてお伺いをいたしました。 私は何度も言うように、フードバレーが地域性を持っているのであれば、やはり地域の特性に応じた防災対策を強化すべきだと思っております。それだけに、東京にいらした市長が防災を2期目の33の公約に入れていないことは大変残念至極でございました。通年も大事ですが、一番犠牲者が出るかもしれない厳寒期の防災対策を私は特化すべきだと思っております。災害弱者が瓦れきに挟まれ凍死するかもしれない。それから、凍結で避難所に行けないなど、帯広の冬には夏にも増して危険がいっぱいであります。公助は限界があることも事実でございますけども、それならば自助、共助だけでも厳寒期の防災の心構えを市はいろいろな手法で周知すべき責任が私はあると思います。 最後に、厳寒期の防災の市民への啓発向上についての市の考えをお聞きして、私の質問を全て終わります。 ○野原一登議長 山崎総務部長。 ◎山崎雅市総務部長 災害の被害を最小限にするためには、市民の防災力の向上が重要と認識をしてございます。日ごろから身近で起こり得る災害の知識を深め、災害時に適切に行動が行えるよう防災意識を高めるほか、厳寒期の寒さに備えるため、防寒具や暖をとるためのポータブルストーブやカセットコンロなどの暖房器具など寒さに対する備えが必要と考えてございます。 帯広市では、防災意識向上や生活必需物資の備蓄など、家庭での備えについては「わが家の防災チェック」の冊子の配布や広報紙による啓発、また町内会や団体等への出前講座や冬期防災訓練などを実施してございます。今後も、厳寒期の災害対策に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上であります。 ○野原一登議長 以上で大塚徹議員の発言は終わりました。 ここでお諮りいたします。 本日の会議はこの程度とし、散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○野原一登議長 御異議なしと認めますので、そのように決定をいたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時12分散会...